
■視聴率依存からインプレッション取引へ、業界課題を解決する新プラットフォーム
シンプレクス・ホールディングス<4373>(東証プライム)傘下のXspear Consultingは9月9日、日本テレビホールディングス<9404>(東証プライム)傘下の日本テレビ放送網が運用を開始した地上波テレビCMのオンライン購入・運用サービス「スグリー」に関し、サービス開発の支援を行ったと発表した。「スグリー」は日本テレビの「Ad Reach MAX」プロジェクトの一環として開発されたもので、地上波CM取引にテクノロジーを活用し、従来の視聴率ベースではなくインプレッション数を基準とした新たな取引形態を導入している。2025年4月1日に同サービスを経由したCMの放送が開始され、業界における新しい広告手法として注目を集めている。
「Ad Reach MAX」プロジェクトは、煩雑な発注業務や長いリードタイム、効果測定の不透明さといった地上波広告の課題を解決し、圧倒的なリーチ力にデジタル広告の即応性と柔軟性を加えることを目的としている。サービスの中核となる「アドリーチマックス プラットフォーム」は2025年3月4日から運用を開始し、「スグリー」はそのフロントエンドとして直前発注、ターゲティング、レポーティング、クリエイティブ変更などを可能にした。これにより広告主は、地上波CMの利便性と効果を高める新たな手段を得ることとなった。
クロスピアは2022年秋から同プロジェクトに参画し、類似サービスの調査や競合分析、放送局のコアバリュー整理、体制構築などを支援してきた。今後「スグリー」および関連プラットフォームは日本テレビ系列局に限らず他系列局も含め、テレビ全般の広告枠購入・運用・可視化を目指す方針である。クロスピアは引き続き、日本テレビによるテレビCMのデジタル化と業界全体の変革を後押ししていくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)