日本通運、ホンダ・JR貨物とEVバッテリー鉄道輸送を本格稼働、新モーダルシフトモデル確立

■茨城から三重までの長距離鉄道輸送で環境配慮型物流を強化

 NIPPON EXPRESSホールディングス<9147>(東証プライム)傘下の日本通運は9月10日、ホンダ<7267>(東証プライム)および日本貨物鉄道(JR貨物)と連携し、EV「N-VAN e:」に搭載されるバッテリーパックの長距離鉄道輸送を本格稼働させたと発表した。同取り組みは、茨城県のバッテリー出荷拠点から三重県のホンダ鈴鹿製作所まで約500kmの区間を鉄道輸送の中心に据えた新たなモーダルシフトモデルである。環境配慮型物流の強化を目指すホンダの施策の一環であり、8月25日には納品式典も行われた。

 輸送モデルの構築にあたり、EVバッテリーパックという大型かつ高精度部品の特性に対応するため、各社の役割が明確に分担された。ホンダは積載治具の設計・製作を主導し、日本通運は輸送計画と現場運用を担い、JR貨物は全国規模の鉄道ネットワークを活用して高信頼の輸送体制を提供した。この結果、安全性、環境性能、コスト効率を兼ね備えた輸送スキームが実現した。また、特別仕様の「ホンダラッピングコンテナ」を導入し、積み降ろしの効率と安全性を高めている。

 今回のモーダルシフトにより、従来のトラック輸送と比較して年間約74.5%に相当する約698.5トンのCO2排出量を削減できる見込みである。加えて、長距離トラック運行に伴うドライバー拘束時間は年間約78.8%、約2542時間削減でき、労働負担の軽減にもつながる。日本通運は鉄道コンテナを活用した輸送設計を通じて課題解決を図り、NXグループとしてもカーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に貢献する物流サービスの開発を進める方針を示している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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