【どう見るこの株】アプリックス、業績進捗順調で株価上昇へ再始動、第2四半期業績は計画通り進捗、収益性改善も寄与

どう見るこの株

■2Q順調進捗業績と配当継続を見直しストップ高後の三角保ち合いから反発

 アプリックス<3727>(東証グロース)は、前日10日に7円高の221円と反発して引け、取引時間中には228円と上値を伸ばす場面もあった。同社株は、今年8月22日、23日と連続してストップ高して年初来高値282円へ急伸し、この急騰幅の半値押し水準で三角保ち合いを続けてきたが、煮詰まり感を強めたとして上放れを打診する買い物が再燃した。今2025年12月期第2四半期(2025年1月~6月期、2Q)の売上収益、事業利益が12月期通期予想業績対比で計画通り進捗し、前期に初配当として実施した年間3.5円を今期も継続して予定し、さらに名古屋証券取引所に申請した名証メイン市場への重複上場の審査が続いていることなどが買い手掛かりとなっている。

■「BRIDGE AD」は準備フェーズから提供フェーズに移行

 今12月期2Q累計業績は、売上収益15億800万円(前年同期比20.7%減)、事業利益7500万円(同25.8%減)、税引前利益8200万円(同17.7%減)、純利益6400万円(同12.2%減)となった。売上収益はMVNE/MVNOサービスの契約ユーザー数が減少し、システム開発事業も軟調に推移して減収となったが、前期にM&AしたH2が売り上げに寄与し、既存ビジネスの一時的な低調推移を補完した。事業利益は、H2の顧客関連資産償却費4500万円を計上して減益となったが、収益性改善の取り組みとH2の寄与でEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)と営業キャッシュ・フローは、前年同期より増加した。

 同社の業績ガイダンスは、売上収益と事業利益のみ開示しており、今12月期業績は、売上収益37億6700万円(前期比1.6%増)、事業利益1億6500万円(同27.3%減)と見込んでいるが、この通期予想業績に対する今期2Q累計業績の進捗率は、売上収益が40.0%、事業利益が45.9%となり計画通りに推移しているとしている。今年2月に新サービスとしてスタートさせたリテールメディアプラットフォーム「BRIDGE AD」が、交渉、契約締結、システム構築に努めて準備フェーズから提供フェーズに移行するほか、モバイルWiFi「THE WiFi」の拡販に注力し、AIドライブレコーダー「AORINO」の取次店・販売代理店・OEM先などを開拓することなどが要因となる。なお配当は、前期に初配当として年間3.5円配当を実施したが、今期も3.5円配当を継続予定である。

■連続ストップ高の急騰幅の半値押し水準から再び年初来高値奪回へ再発進

 株価は、前期末の初配当の権利取りでストップ高してつけた191円からトランプ関税による世界同時株安の影響で年初来安値122円へ調整し、売られ過ぎ修正で160円台までリバウンドし、150円台を出没する中段固めから2Q順調進捗率業績を手掛かりに2日連続のストップ高を交えて年初来高値282円へ130円高した。足元ではこの急伸幅の半値押しの210円水準での三角保ち合いを続け煮詰まり感を強めてきた。三角保ち合いを上放れ再度、年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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