ヘリオス、新規マトリクスタンパク質活用でiPS細胞分化研究成果を発表

■大阪大学との共同研究成果、神戸での学術集会で発表へ

 ヘリオス<4593>(東証グロース)は9月11日、10月10日から12日まで神戸で開催される第87回日本血液学会学術集会において、iPS細胞から造血前駆細胞(HPC)への分化を促進する新規細胞外マトリクスタンパク質を活用した培養プロトコールの研究成果を発表すると明らかにした。大阪大学蛋白質研究所の関口清俊教授らとの共同研究に基づくもので、発表は10月12日にポスター会場で行われる予定である。演題は「ヒトiPSCのHPC分化を促進する新規基質ヘパラン硫酸結合型ラミニンフラグメント」であり、複数の研究者が成果を報告する。

 ヘリオスは再生医療のフロントランナーとして、iPS細胞を用いた再生医薬品開発に取り組んでいる。同社は、健康な成人ドナー由来の体性幹細胞を基盤とする独自の細胞製品「HLCM051」を開発し、脳梗塞急性期や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、外傷を対象とした臨床試験を進めている。この製品は抗炎症作用や免疫調節作用を持ち、3D培養による一貫製造のもとで数百人規模の臨床試験において安全性と有効性が確認されている。複数適応症への展開が可能であることから、同社はグローバル市場への推進を掲げている。

 さらに同社は、免疫拒絶リスクを低減するユニバーサルドナーセル(UDC)や、遺伝子編集技術で抗腫瘍作用を強化した次世代NK細胞「eNK®細胞」の研究開発を加速させている。eNK®細胞は動物モデルで強固な抗腫瘍効果を示し、3Dバイオリアクターを用いた大量生産技術も確立している。眼科や肝臓領域を含む幅広い疾患に向けた開発も視野に入れており、ヘリオスは再生医療分野での技術革新と新薬創出に向けた取り組みを強化している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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