日東精工、立命館大学と共同研究契約を締結、PFAS分解フロー装置の開発に着手

■可視光で有害な有機フッ素化合物(PFAS)を無害化する新技術を確立へ

 日東精工<5957>(東証プライム)は9月8日、立命館大学と「PFASを可視光で分解するフロー装置の開発」に関する共同研究契約を締結したと発表した。PFAS(有機フッ素化合物)は自然環境で分解しにくく、環境汚染物質として世界的に課題視されている。同研究は同社と立命館大学が協力し、環境負荷の低減に資する新技術の実用化を目指すものである。研究の拠点は立命館大学びわこ・くさつキャンパスに設置され、社会的課題の解決につながる成果創出が期待されている。

 研究内容は、立命館大学・小林洋一教授が独自に合成した半導体ナノ結晶を用いた可視光分解技術を基盤とする。可視LEDを照射することでナノ結晶表面の有機分子が分解され、PFASが効率的に吸着されてフッ化物イオンにまで無害化されることが既に確認されている。現状は1mL規模のビーカーによるバッチ処理にとどまるため、今後は連続的に処理できるフロー装置を開発し、より実用的な形で環境浄化に貢献することを目指す。

 研究期間は3年間を想定しており、進捗は立命館大学との協議を通じて判断される。同社は今回の取り組みが2025年12月期の業績に与える影響は軽微とする一方、中長期的には環境関連分野における事業拡大やコア技術の強化に資するとしている。持続可能な社会の実現に向けた両者の協働は、社会的ニーズの高い分野での先端研究の成果として注目を集めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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