電算システム、JPYCと日本円ステーブルコインで基本合意、決済社会実装へ

■6万5千店超の決済網とJPYCを組み合わせ、新たなユースケースを開拓

 電算システムホールディングス<4072>(東証プライム)グループの電算システムは9月17日、日本円ステーブルコイン「JPYC」の社会実装に向け、JPYC社と共同検討を進める基本合意書を締結したと発表。両社は電算システムが構築してきた全国6万5千店超の収納代行・コンビニ決済ネットワークと、JPYC社が発行する「JPYC」を組み合わせ、決済・送金・精算分野での具体的なユースケースを設計し、実店舗とECを含む幅広いチャネルでの活用を目指す。決済体験は既存のQRコードやバーコード決済と親和性を持たせ、ポイントやクーポンとの併用など新たな利便性も検討する。

 背景には、キャッシュレス化の進展にもかかわらず現金依存の領域が依然残り、越境ECや訪日観光客対応などで効率的な決済基盤が求められていることがある。2023年6月の改正資金決済法により銀行や資金移動業者によるステーブルコイン発行が可能となり、JPYC社は2025年8月に資金移動業者として登録。秋からは日本円と1対1で交換可能な「JPYC」を発行・償還予定であり、裏付け資産は現金や国債で保全され、複数ブロックチェーンに対応する。電算システムは2024年5月にJPYC社との資本業務提携を発表済みで、今回の基本合意はその協業を深化させるものとなる。

 今後は要件定義や実証を通じ、少額・高頻度決済や請求・精算業務の効率化、地域や観光での利用シーン創出を進める方針だ。両社は「JPYC EX」サービスとも連携し、制度面・技術面に適合した仕組みを整備しながら、利用者に安心かつ日常的に活用されるデジタル決済基盤の社会実装を目指す。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る