SBI新生銀行、Partior・ディーカレットDCPと提携、トークン化預金による外貨決済を検討

■円建てから多通貨へ拡張、国際的な金融ネットワーク接続を目指す

 SBIホールディングス<8473>(東証プライム)傘下のSBI新生銀行は9月16日、シンガポールのPartiorおよびディーカレットDCPと、トークン化預金を活用した外貨取引に関する本格検討を開始することで基本合意したと発表した。3社は戦略的パートナーシップ体制の構築を目的に基本合意書を締結し、マルチ通貨対応の決済ソリューションを協働で模索する。同枠組みは、円建てトークン化預金「DCJPY」を基盤とし、Partiorが提供する国際的なトークン化預金決済プラットフォームと連携する点に特徴がある。

 PartiorはDBS、J.P.モルガン、スタンダードチャータード銀行、ドイツ銀行など世界大手金融機関にサービスを展開しており、米ドルやユーロ、シンガポールドルなどのマルチカレンシー取引実績を持つ。一方、ディーカレットDCPは日本国内で円建てトークン化預金発行基盤を提供している。今回の提携により、SBI新生銀行は法人・個人顧客に新たな価値を届けるべく、外貨を含む多通貨のトークン化預金発行を具体的に検討し、利便性と透明性を兼ね備えた国際的な決済環境の整備を進める方針だ。

 今後3社は早期の提携業務契約締結を目指し、業務分担や連携スキームの詳細を協議する予定である。目的は、24時間365日稼働し、リアルタイムかつ安全でスピーディーなクロスボーダー決済基盤を構築することにある。トークン化預金は、銀行預金にブロックチェーン技術を組み合わせることでデジタル化・機能拡張を実現するもので、国際的にも取組みが広がっている。今回の3社連携は、日本国内の円建て預金を国際金融ネットワークへ接続する試みとして注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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