ミロク情報サービスがシンガポールのクラウドERP企業Synergix社の株式を取得(子会社化)

■発行済株式70%を取得する予定、ASEANへの事業展開など視野

 ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は9月19日の夕刻、シンガポールのクラウドERP企業Synergix Technologies Pte Ltd.の株式の取得(子会社化)について発表した。

 同社は、2024年5月に策定した「中期経営計画Vision2028」のキャッシュ・アロケーション戦略で「M&Aによる事業拡大」を掲げている。この度のSynergix社の株式取得は、上記の成長戦略の一環となる。

 Synergix社は、自社開発のクラウド型ERP製品を自社でコンサルティング販売およびサポートを行うことで、シンガポール国内の中小企業の経営改善、成長を支援するIT企業。同社のERP製品は、多様な業界・業種に特化した業務ソリューションを多数ラインアップしており、各種モジュールを組み合わせることで顧客ニーズに柔軟に対応することが可能だ。機能面、価格面ともにシンガポールにおける中小企業のERPニーズに合致したポジショニングを確立している。また、既に多通貨・多言語対応(APAC地域で使用される各言語)しており、ASEANへの事業展開も視野に入れている。

 この度の株式取得により、Synergix社が加わることで、本格的なグローバル展開を加速する事業基盤が強化される。ミロク情報グループとして、シンガポールでの経営基盤強化、ERP事業拡大を実現し、より一層堅調な経済成長、ERP市場の急速な拡大が見込まれるASEAN地域への進出を目指す。また、日本国内では、海外展開を図る企業に対する経営管理面での総合的なソリューション提供体制を築いていく。さらに、中長期的な視点において、グループ製品力強化(製品連携・共同開発等)、グループ開発体制強化を実現し新たな価値創出を図ると共に、グローバル経営力の強化を実現していく。

 本株式取得により、短期~中長期に渡り、以下を実現していく。具体的には以下のとおり。

■Synergix社のシンガポール国内でのERP事業の更なる成長およびASEAN市場の開拓

 短期的には、ミロク情報の経営資源を活かしながら、Synergix社内にJapan Deskを設置し、シンガポール国内の日系企業の新規開拓およびブランディングを図り、ローカル企業を含む中小企業市場での認知と信頼を高め、ERP事業を更に成長させる。併せて、日本国内のシンガポール進出企業(本社)および現地法人へのDXコンサルティング、ERP製品提供を双方密に連携し取り組む。さらに、Synergix社の多通貨・多言語対応のERP製品をもって、成長著しい広大なASEAN市場への進出を目指す。市場開拓の実現性を高める追加投資として、ミロク情報の経営資源の活用やASEAN地域でのM&Aなどの検討も進める。

■両社の技術力を活かした共同開発などによる新たな価値創出

 中長期的には、ミロク情報のオフショア開発拠点として、あるいはミロク情報財務・会計を中心としたバックオフィス系ソリューションの強みとSynergix社の持つさまざまな業界・業種別のパッケージソリューションの強みを基に、両社の研究開発を通したイノベーションの創出による新たな価値創造を図る。

■両社の人材・技術交流によるグローバル経営力の強化

 5年、10年、20年先を見据えたミロク情報グループの長期の成長戦略においては、役員や従業員の人材交流、技術交流等を通して両社の国際ビジネス感覚を養い、グローバル経営力の強化を図ることで、グローバルな営業力、製品力、開発体制の構築を目指す。

 ミロク情報は、Synergix社の発行済株式70%を取得する予定。今後、両社の得意分野を補完・強化しながら、グローバルな視点にて中小企業の経営革新を推進していく。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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