NTT、光で微小振動子の同期を世界初制御、脳模倣技術で次世代情報処理に道

■メトロノームに例えられる同期現象を人工素子で実現、多様な情報処理応用に期待

 NTT<9432>(東証プライム)は9月19日、微小な機械振動子間の同期を光でリアルタイムに制御する技術を世界で初めて実証したと発表した。レーザ光で機械振動を自在に励起・制御できるオプトメカニカル素子を活用し、複数の異なる同期状態の生成とその瞬時の遷移に成功した。生体系で見られる記憶や学習などの現象は、多数の振動子の同期と関係していると考えられており、今回の成果は脳の仕組みを模倣した次世代情報処理技術の実現に向けた大きな一歩と位置づけられる。研究成果は9月17日付(米国時間)で米国学術誌「Science Advances」に掲載された。

 同期現象はメトロノームの同調や蛍の明滅、カエルの合唱など自然界に広く見られる現象であり、工学分野でもレーザやデバイスの安定化に活用されている。NTTは、独自設計のファイバ型オプトメカニカル素子を作製し、光強度の変調によって2つの振動子間に結合を生み出す新手法を確立した。この手法により、非同期状態と同期状態を切り替えるだけでなく、異なる同期状態間を所望のタイミングで遷移させることが可能となり、周波数安定性も従来比1000倍以上に高まった。また、光変調の合成による位相スリップの制御を実現し、同期状態を多重化することにも成功した。

 同社は今後、この技術を多数の振動子に拡張し、微小振動素子を用いた新たな情報処理技術の確立を目指す。光によって同期を自在に設計できることから、ニューロン同士が複雑に結合する脳の仕組みに近い高度な情報処理を可能にする生体模倣技術への応用が期待される。研究は日本学術振興会の科学研究費助成事業の支援を受けて進められており、今後の展開が注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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