IPS、国際海底ケーブル「Candle」に参画、2028年運用開始、日本―東南アジアを結ぶ8,000キロの通信大動脈

■Metaやソフトバンクと共同建設、NECが建設担当

 アイ・ピー・エス(IPS)<4390>(東証プライム)は9月22日、日本、フィリピン、シンガポールを結ぶ新たな国際海底ケーブル「Candle Submarine Cable System(Candle)」に関する追加情報を発表した。Candleは総延長約8,000キロメートル、24ファイバーペア構成の大容量・低遅延通信を実現する次世代海底ケーブルで、NEC<6701>(東証プライム)が建設を担い、2028年の運用開始を予定する。参画企業はIPSのほか、Meta、ソフトバンク<9434>(東証プライム)、マレーシアのTM、インドネシアのXLSmartであり、アジア地域におけるデジタルインフラ強化を目的とする。

 IPSはCandleの中核メンバーとして、フィリピン東岸バレルに自社子会社が主導する陸揚局を接続させる。バレル陸揚局は、同社が共同構築した国内海底ケーブル網PDSCNのゲートウェイともなる拠点であり、フィリピン国内外を結ぶ戦略的通信ハブとして位置付けられる。最大4系統の国際ケーブル接続が可能であり、AIやクラウドデータセンター、スマートシティ基盤に対応する先進的デジタルサービスの集積地とする構想も進む。同社はこの取り組みを通じ、アジアのデジタル大動脈としての役割を担うことを目指す。

 資金は手許資金、営業キャッシュフローに加え、金融機関からの借入や顧客からの前受金(IRU契約)で調達する計画であり、資本効率と財務健全性を両立させる方針だ。同案件は長期的に業績や企業価値向上に資すると見込まれるが、2026年3月期の連結業績への影響は精査中とされる。各パートナーは本プロジェクトによりアジア地域5億人超の人々にデジタル包摂と経済機会を提供すると強調しており、国際通信の多様性・冗長性を高める基盤として期待が高まっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■7日間摂取試験でBCAAやタウリン増加、血液健全性を維持  吉野家ホールディングス<9861>(…
  2. ■日本味と匂学会で優秀発表賞を受賞、応用研究に期待  花王<4452>(東証プライム)は9月24日…
  3. ■GHG削減価値をデジタル証書化、荷主に割り当て  商船三井<9104>(東証プライム)は9月19…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る