エスプール、障がい者雇用支援サービス好調で3Q累計小幅営業増益、通期2桁営業増益予想据え置き
- 2025/10/15 07:30
- 決算発表記事情報

(決算速報)
エスプール<2471>(東証プライム)は10月14日に25年11月期第3四半期累計連結業績を発表した。障がい者雇用支援サービスの好調が牽引して小幅増収・営業増益だった。そして通期の2桁営業増益予想を据え置いた。第3四半期累計の進捗率は低水準の形だが、障がい者雇用支援サービスと環境経営支援サービスの売上が第4四半期偏重となるため、全体の営業利益も第4四半期に集中する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値が重くモミ合う形だが、調整一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。
■25年11月期3Q累計小幅営業増益、通期は2桁営業増益予想
25年11月期第3四半期累計の連結業績(IFRS)は、売上収益が前年同期比3.9%増の188億95百万円、営業利益が4.9%増の13億41百万円、親会社所有者帰属四半期利益が27.8%減の7億56百万円だった。親会社所有者帰属四半期利益は前期の繰延税金資産計上の反動で減益だが、障がい者雇用支援サービスの好調が牽引して小幅増収・営業増益だった。
セグメント別(内部取引、全社費用等調整前)に見ると、ビジネスソリューション事業は売上収益が14.7%増の116億63百万円で、営業利益が13.6%増の22億30百万円だった。
障がい者雇用支援サービスの売上収益は14.3%増の66億80百万円だった。設備販売が順調だった。設備販売は986区画、期末時点の顧客数は702社、農園数は56農園、管理区画は9615区画、就労者数は4808名(定着率92%)となった。
広域行政BPOサービスの売上収益は5.0%減の8億71百万円だった。国策系業務が開始したものの、業務の拡大が限定的となったため伸び悩んだ。環境経営支援サービスの売上収益は54.9%増の9億44百万円(企業向けが52.9%増の7億96百万円、自治体向けが66.6%増の1億48百万円)だった。カーボンクレジットの販売が伸長した。通販発送代行サービスの売上収益は1.6%増の9億93百万円だった。主要顧客の出荷増加に加え、顧客への請求価格見直しにより収益改善も進展した。採用支援サービス(OMUSUBI)の売上収益は12.3%増の6億36百万円だった。新サービス(健康診断事務代行)が寄与した。販売促進支援サービスの売上収益は27.9%増の10億50百万円だった。大手顧客との取引が拡大した。
人材ソリューション事業は売上収益が9.6%減の72億96百万円で、営業利益が4.9%減の6億円だった。コールセンター派遣の売上収益は11.6%減の57億83百万円、販売支援の売上収益は38.0%減の6億13百万円だった。スタッフの獲得難により、需要の取り込みが想定を下回った。なお建設技術者派遣は第1四半期に黒字化し、第2四半期以降も順調に拡大した。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上収益が61億31百万円で営業利益が2億61百万円、第2四半期は売上収益が63億68百万円で営業利益が5億45百万円、第3四半期は売上収益が63億96百万円で営業利益が5億35百万円だった。
通期の連結業績予想については据え置いて、売上収益が前期比5.0%増の268億28百万円、営業利益が10.4%増の30億74百万円、親会社所有者帰属当期利益が9.2%減の19億07百万円としている。配当予想は24年11月期と同額の10円(期末一括)としている。予想配当性向は41.1%となる。
セグメント別の計画は、ビジネスソリューション事業の売上収益が12.6%増の169億08百万円で営業利益が14.3%増の42億29百万円、人材ソリューション事業の売上高が4.9%減の101億円で営業利益が8.3%減の7億95百万円としている。売上収益の内訳は、ビジネスソリューション事業の障がい者雇用支援サービスが12.0%増の90億円、広域行政BPOサービスが16.2%増の17億50百万円、環境経営支援サービスが15.5%増の18億40百万円、通販発送代行サービスが3.8%減の12億80百万円、販売促進支援サービスが22.6%増の14億30百万円、採用支援サービス(OMUSUBI)が11.1%増の8億75百万円で、人材ソリューション事業のコールセンター派遣が2.1%減の84億円、販売支援が26.2%減の9億円、その他が2.1%減の8億円としている。
障がい者雇用支援サービスの農園開設は6農園、設備販売は1300区画の計画である。26年より農園の全国展開を目指す。広域行政BPOサービスは国策案件の開始により下期偏重の計画(第3四半期600百万円、第4四半期667百万円)である。環境経営支援サービスは売上が第4四半期に集中(第3四半期1億21百万円、第4四半期11億25百万円)する見込みだ。なお通期計画の顧客別内訳は企業向けが17.5%増の15億40百万円、自治体向けが5.7%増の3億円としている。通販発送代行サービスは物流センターの生産性向上と料金適正化に取り組む。販売促進支援サービスは主要顧客との取引拡大を推進する。採用支援サービス(OMUSUBI)はAIを活用した採用支援サービスの本格展開を目指す。コールセンター派遣は長期・高単価案件の拡大に注力する。販売支援は再拡大を目指して専用拠点を整備する。建設技術者派遣は首都圏エリアの体制強化により拡大を目指す。
25年11月期は2桁営業増益予想としている。第3四半期累計の進捗率は売上高70%、営業利益44%、親会社所有者帰属当期利益40%と低水準の形だが、障がい者雇用支援サービスと環境経営支援サービスの売上が第4四半期偏重となるため、全体の営業利益も第4四半期に集中する見込み(第4四半期約18億68百万円)としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は調整一巡
株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、調整一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。10月14日の終値は322円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円35銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS124円51銭で算出)は約2.6倍、そして時価総額は約254億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)