ステムリム、大阪大学と共同で栄養障害型表皮水疱症の根治治療技術「SR-GT1」日本特許を取得

■患者自身の幹細胞を用いて正常遺伝子を導入、根治的治療を目指す革新技術

 ステムリム<4599>(東証グロース)は10月16日、国立大学法人大阪大学と共同で開発を進める栄養障害型表皮水疱症の根治治療を目的とした幹細胞遺伝子治療技術「SR-GT1」に関する特許が日本で登録されたと発表した。発明の名称は「栄養障害型表皮水疱症の治療薬」で、出願番号は特願2022-538037。出願人はステムリムと大阪大学である。同疾患はわずかな外力でも皮膚に水疱や潰瘍を生じる遺伝性疾患で、Ⅶ型コラーゲンの異常により表皮と真皮の接着が弱まることで発症する。現時点で確立した根治的治療法は存在しない。

 同社と大阪大学はこれまで「再生誘導医薬®」研究を基盤に、体内再生誘導治療を遺伝性難病の根治的治療へ応用することを目指してきた。「SR-GT1」では患者自身の水疱から採取した間葉系幹細胞に正常なⅦ型コラーゲン遺伝子を導入し、培養した細胞を再び患部へ戻す。これにより正常タンパク質を分泌する細胞が皮膚内に長期生着し、表皮水疱症の根治を図る仕組みである。自家細胞を利用することで免疫拒絶のリスクを低減し、持続的な治療効果を期待できる点が特徴だ。

 現在、同技術は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもとで治験薬製造が進行している。医師主導による臨床試験への移行に向けた準備も進んでおり、実用化の段階へ一歩前進した。同社は、今回の特許登録による2026年7月期業績への影響はないとしているが、今後の開示が必要な事象が生じた場合には速やかに公表するとしている。再生医療と遺伝子治療を融合した同技術は、これまで治療手段のなかった希少難病に対する革新的なアプローチとして注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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