【ライオンが新発見】歯みがきで唾液のインフルエンザ不活化能向上を世界初確認

■口腔細菌の減少とともにウイルス抑制能が高まる傾向を確認

 ライオン<4912>(東証プライム)は10月28日、歯みがき行動により唾液のインフルエンザウイルス不活化能が向上することを世界で初めて確認したと発表した。20~50代の健康な男女16人を対象にした実験で、歯みがき5分後の唾液ではインフルエンザウイルスの細胞感染抑制率が有意に上昇し、総細菌数が減少した人ほど抑制効果が高い傾向が見られた。この成果は英国歯科医師会発行の科学誌『BDJ Open』(2025年7月19日付)に掲載された。

 研究では、歯みがき前後の唾液を採取し、生化学的手法でウイルス不活化能を測定した。唾液にはIgA抗体などウイルス感染を抑制する成分が含まれており、歯みがきによって口腔内が清潔になることでこれらの成分が効果的に作用すると考えられる。研究を監修した神奈川歯科大学の槻木恵一副学長は、唾液の免疫機能が向上するという結果は新たな発見であり、日常の歯みがきが感染症予防にも寄与する可能性を示すものだとコメントしている。

 同社は、これまで新型コロナウイルスの感染抑制に関する唾液研究も進めており、今後も口腔ケアが全身の健康維持に果たす役割を科学的に解明していく方針を示した。歯みがきを通じて唾液の自然な免疫力を引き出すことが、感染症に対する新たな防御手段となる可能性があるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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