荏原、JAXAの人工衛星向け排熱システムでポンプ試作契約を締結

ビジネス 万年筆 メモ

■宇宙用冷媒ポンプの国産化へ、荏原が高効率排熱技術を開発

 荏原<6361>(東証プライム)は10月17日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進める人工衛星用高効率排熱システムの研究開発プロジェクトにおいて、性能確認用ポンプの試作契約を締結したと発表した。同契約は、内閣府の「宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)」の一環であり、荏原はロケットエンジン用電動ターボポンプなどで培った宇宙機向けポンプ技術を活かして開発を担う。履行期限は2026年3月31日で、同社はポンプの設計と試作を進め、JAXAへの納入を目指す。

 同プロジェクトは、5G/6G通信の普及に伴い、人工衛星の高性能化に不可欠な熱管理技術の確立を目的とする。高密度電子機器の発熱対策は宇宙開発における重要課題であり、効率的な排熱技術の確立が求められている。荏原が試作する冷媒用ポンプは、二相流排熱システムの心臓部として冷却媒体を循環させ、衛星の安定稼働を支える役割を担う。ポンプの国産化は、国際競争力強化と日本の宇宙産業基盤の強化に資する。

 荏原は今回の試作を皮切りに、次世代通信衛星を含む各種宇宙機への搭載を見据え、さらなる技術開発を推進する方針を示した。スターダストプログラムの成果を通じて、将来の宇宙インフラ整備や通信技術の高度化を支え、日本の宇宙開発分野への貢献を強化する。同社は長期ビジョンの下でESG経営を推進し、持続可能な成長と企業価値向上を目指す。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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