【日本発フードテック】植物性代替卵で世界市場を開拓、UMAMI UNITEDが3.1億円を調達

■卵アレルギー・価格高騰を背景に代替卵の需要急増、技術力で世界に挑む

 UMAMI UNITED(東京都渋谷区)は10月27日、プレシリーズAの追加調達により総額3.1億円の資金を確保したと発表した。植物性代替卵「UMAMI EGG」の研究開発と海外展開を加速し、欧米市場での事業拡大を進める。調達資金は研究開発力の強化、大規模生産体制の確立、採用拡大に充当し、グローバルな供給体制を構築する方針である。卵アレルギーやヴィーガン需要の高まりに加え、鶏卵の価格高騰や供給不安を背景に、植物性代替卵への注目が世界的に急速に拡大している。

■科学的アプローチで卵機能を再現、食品産業の新インフラを目指す

 同社は「ONE TABLEで未来を創る」を掲げ、卵特有の加熱凝固性、気泡性、乳化性、結着性といった複合機能を科学的に再現する独自技術を開発してきた。植物性原料による熱不可逆性ゲル形成物質などを活用し、焼成・泡立ち・結着などの特性を分解・再構築する「機能モジュール」設計を強みに、製菓・製パンなど多様な食品製造現場に応用が可能としている。今回の資金調達により、研究開発成果を量産化に結びつける製造拠点の設立を計画しており、安定的かつ持続的な供給網の構築を図る。

 出資には、mint、Beyond Next Ventures、ジェネシア・ベンチャーズ、SMBCベンチャーキャピタル、ユナイテッド、三菱UFJキャピタル、みずほキャピタルなどが参加した。投資家各氏は、卵の多機能性を植物性素材で再現する同社の技術力と、グローバルな事業推進力を高く評価している。山﨑寛斗CEOは「世界中の誰もが同じ食卓を囲める社会を実現する」と述べ、日本発フードテックとして持続可能な食のインフラ構築を目指す姿勢を示した。今回の調達を契機に、同社は次世代型代替卵の世界展開を本格化させるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■地域と共に築いた「鮪解体ショー」で世界一の舞台へ  銚子丸<3075>(東証スタンダード)は、同…
  2. ■速乾・吸水機能を備えたブラ&ショーツ、11月7日から応援購入受付  グンゼ<3002>(東証プラ…
  3. 日産自動車 日産 NISSAN
    ■経営再建計画の一環として保有資産を最適化、20年間の賃貸借契約で本社機能維持  日産自動車<72…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  2. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  3. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  4. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  5. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  6. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る