【この一冊】トヨタ藤井フェローが語る「仲間」としての豊田章男、組織を超えた人間ドラマ

■トヨタらしさを取り戻す闘いを克明に収録

 PHP研究所は、トヨタ自動車<7203>(東証プライム)の藤井英樹フェローによる著書『上司 豊田章男――トヨタらしさを取り戻す闘い 5012日の全記録』を発売(9月4日)した。同書は、2009年に豊田章男氏が社長に就任して以来、広報担当やトヨタイムズ編集長として13年8か月にわたり同氏を支えてきた著者が、その「共同作業」の軌跡を克明に記録したものだ。帯には豊田会長が「部下ではなく仲間。それが私にとっての藤井君です」とのメッセージを寄せている。創業以来の危機に直面し、満身創痍で孤軍奮闘するトップの想いを言葉にし続けてきた著者でなければ描けない、知られざるエピソードや素顔の数々が収められている。

 同書では、2009年5月の出会いから2023年1月のトップ交代までの5012日にわたる、豊田会長との歩みが一日一日のエピソードで綴られている。当初、藤井フェローは「組織」のセオリーで動く人間として、副社長となった豊田氏と「何もかもがかみ合わなかった」という。しかし、会社が数々の危機に直面する中で、組織や肩書を超え「一人の人間」として向き合うことを決意。2019年には「想い」を伝えるメディアとしてトヨタイムズを立ち上げ、編集長として手探りで育てていった。同書には、豊田会長の闘う姿や苦悩、嬉しそうに笑う姿が、著者の苦悩や挫折、弱さとともに、すべてさらけ出されている。

 著者は前書きで、執筆理由を「豊田さんの想いをトヨタで働く多くの仲間に伝えたい」ためと記している。さらに、「自動車は550万人が関わるすそ野の広い産業」であることから、「トヨタ以外の方々にもお伝えしたい」という。本書は、組織で働く中で忘れがちな「大切なこと」に目を向けるきっかけを与えてくれる一冊となっている。定価は2,200円(税込み)で、日本国内の一般読者を対象に、それぞれの経験を重ね合わせながら読み進めることを想定した構成となっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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