
■ヒト皮膚実験でエラスチン線維の劣化を確認、加齢変化と類似
コーセー<4922>(東証プライム)は9月16日、肌の老化研究の成果として「老化連鎖miRNA」を発見したと発表した。老化した真皮線維芽細胞から放出される特定のmiRNAが、表皮細胞や血管内皮細胞を含む周囲の細胞に老化を広げることを確認した。同社はこの因子がシワやたるみなどの加齢現象を連鎖的に進行させる仕組みに関与していると説明し、エイジング研究における新たな標的になる可能性を示した。また、この知見は9月15日からフランス・カンヌで開催されている第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会で報告される予定である。
研究ではまず、老化に伴い細胞外小胞に含まれるmiRNAを網羅的に解析し、特定のmiRNAが老化した線維芽細胞から顕著に増加することを確認した。その模倣物質を表皮や真皮、血管の細胞に添加したところ、増殖能の低下や老化マーカーの増加が観察され、このmiRNAが「老化連鎖miRNA」として機能することが明らかになった。さらに、ヒト皮膚組織に投与した実験では、エラスチン線維の断裂が進み、加齢に伴う皮膚変化と同様の組織劣化が確認された。
加えて同社は、ノイバラ果実エキスに「老化連鎖miRNA」の産生を抑える効果があることを突き止めた。線維芽細胞に同エキスを添加した実験でmiRNAの減少が見られ、エイジングケア素材としての可能性が示唆された。同社は今後、この知見を応用し老化の連鎖を断ち切る新たなスキンケア技術の開発を進める方針を示しており、幅広い消費者ニーズに応える研究を継続するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)





















