ジェネリック医薬品大手2社が協業、沢井製薬と日医工が安定供給目指し製造体制を再編

■2026年以降、15成分30品目を対象に段階的に実施

 サワイグループホールディングス<4887>(東証プライム)傘下の沢井製薬は、後発医薬品(ジェネリック医薬品)最大手の日医工と同分野で協業することに合意したと発表。両社は、新型コロナウイルス感染症拡大以降、後発医薬品の供給不安が深刻化している現状に対応するため、製造所の集約と品目の統合を段階的に開始する。厚生労働省が生産体制の連携を推進するなか、国内後発医薬品市場で大きなシェアを占める大手2社が手を組むのは異例。両社は協業を通じ、生産キャパシティを増加させ、供給不安の早期解決を目指す。具体的には、2026年以降、準備が整い次第順次、15成分30品目を対象に製造所の集約と品目統合を進める。このうち16品目は、一方の製品を発売中止し、もう一方の製品で代替供給する「中止代替」方式、残る14品目は、これまでそれぞれで製造していた品目を一方の製造所に統合する方針だ。

 今回の協業の背景には、2020年以降、後発医薬品企業で品質問題が相次ぎ、供給停止や出荷調整が多発したことがある。少量多品目の生産構造が生産効率の低下と品質管理の負担を増大させ、供給不安の一因となっていた。政府はこうした課題に対応するため、製造所集約に必要な薬事手続きの標準的事務処理期間を従来の6カ月から1.5カ月に短縮する特例を設け、「後発医薬品製造基盤整備基金」を設置して設備投資等の費用補助も行うなど、企業の連携を促す施策を打ち出している。両社はこうした国の後押しを活用し、協業を推進する。

 両社は協業後も健全な競争を維持しながら、連携を通して後発医薬品の安定供給に貢献するとしている。沢井製薬の澤井光郎会長は、品目数や生産能力の大きい企業同士の協業は、個社の企業努力で強化した供給力をさらに効率的に高め、早期の供給不安解決に大きく寄与するとコメントした。一方、日医工の岩本紳吾社長は、2023年3月からの新経営体制のもと、生産体制の見直しと品質保証体制の強化に取り組んできたと強調。同社と共和薬品工業、T’sファーマの持ち株会社であるアンドファーマが発足したことに触れつつ、沢井製薬との協業によって後発医薬品の安定供給体制構築に全力を尽くす考えを示した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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