三菱重工、ベトナム・オモン第1火力の燃料転換設備を受注、油から天然ガスへ

■CO2・NOX排出削減へ、既設ボイラーの更新と脱硝装置を供給

 三菱重工業<7011>(東証プライム)は11月5日、ベトナム南部カントー市のオモン第1火力発電所における油から天然ガスへの燃料転換プロジェクト向けに、既設ボイラーのガスバーナーなど主要機器の更新を受注したと発表した。同発電所は出力66万kWの2基で構成され、既設ボイラーは同社が過去に納入している。今回、同社は既設メーカーとしての技術力を活用し、燃料転換によるCO2削減と、脱硝装置の追設によるNOX削減を実現し、今後の環境規制強化にも対応する設備更新を担う。

 同プロジェクトはベトナム電力公社(EVN)傘下の第2発電総公社(EVNGENCO2)が主導し、EPC契約はベトナム建設省系のLILAMA社とEVN傘下の第3発電総公社(EVNGENCO3)によるコンソーシアムが担当する。三菱重工はこのコンソーシアムから主要機器を受注し、グループ会社の三菱パワーアジアパシフィックが工事支援と技術指導員の派遣を担う。藤田真スチームパワー事業部長は、同発電所がメコンデルタ地域の発展に貢献してきた重要な電源であるとし、エネルギー安定供給と温室効果ガス削減への支援に意欲を示した。

 同社は本年8月、隣接するオモン第4火力発電所向けにも最新型JAC形ガスタービン2台を受注しており、2028年の稼働を目指している。ベトナム政府は「電源開発計画Ⅷ(PDP8)」で石炭依存の低減と天然ガス・再生可能エネルギーの活用拡大を掲げており、同社はオモン第1・第4両プロジェクトを通じ、同国の電源多様化と2050年ネットゼロ目標達成に貢献する方針である。今後も高効率技術の普及と脱炭素化の推進により、世界の電力安定供給と環境保全に寄与していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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