ジー・スリーホールディングス、低炭素冷媒事業に参入、自然冷媒普及と脱フロン推進へ

■脱フロン社会に向けた新規事業立ち上げ、CO2削減の「見える化」も推進

 ジー・スリーホールディングス<3647>(東証スタンダード)は10月29日、空調機器や冷凍冷蔵機器で使用される代替フロンに代わる自然冷媒の普及を目指す「低炭素冷媒事業」の開始を発表した。これに伴い、冷媒の安全性と運用効率を高めるための冷媒圧力センサー(ハードウェア)およびIoT監視システム(ソフトウェア・通信)の開発に着手する。同社は同事業を通じて脱フロン化と温室効果ガス削減を推進し、低炭素社会の実現に寄与する方針である。

 同社グループは再生可能エネルギー事業や系統用蓄電事業など、環境・社会課題の解決に資するサステナブル事業を展開している。新たに始動する低炭素冷媒事業では、オーストラリアのHyChill社製炭化水素冷媒(世界70カ国以上で採用、国際規格準拠)を主力に据え、CO2削減効果を「見える化」する仕組みを導入する。自然冷媒は代替フロンに比べ熱伝達性能が高く、省エネ効果と運用コスト削減の双方を実現できる特長を持つ。これにより、脱フロン社会の形成と国家的な温室効果ガス削減目標(2013年比73%削減)への貢献を目指す。

 冷媒圧力センサーは、冷媒分子の圧力変化を電気信号として捉える構造を採用し、種類の異なる冷媒にも対応可能とした。異常検知や安全性の向上に加え、IoT技術による常時モニタリングや遠隔診断、自動アラート機能を備え、予防保全型管理を実現する。さらに、破壊証明書のデジタル化やJクレジット制度への参入も視野に入れ、環境価値の可視化と取引の拡大を図る。同社は今後、実証実験を経て事業化を進め、環境関連分野で新たな収益基盤を確立するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■開発者や投資家に加え、警鐘を鳴らす識者やアーティストも選出、多様な視点でAIの未来を問う  米T…
  2. 【効率化の先に広がる新しい働き方のルール】 ■広がり始めた「AI格差」  生成AIの利用が急速に…
  3. ■R35 GT-R最終生産、累計4万8000台が築いた伝説  日産自動車<7201>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る