イトーキ、AI予知保全システム「スマートメンテナンス」開発、2026年1月に提供開始

■Oracle技術を活用、稼働データ解析で異常検知・部品交換時期を最適化

 イトーキ<7972>(東証プライム)は11月5日、自動物流倉庫の稼働データをAIで解析し、故障の兆候を事前に検知する予知保全システム「スマートメンテナンス」を開発し、リモート対応と一体化した保守サービス「ITOKIアドバンスドメンテナンス」として2026年1月に発売すると発表した。同サービスは日本オラクルの「Oracle Autonomous AI Database」および「OCI Data Science」を基盤とし、シャトル式自動倉庫「システマストリーマー SAS-R」に搭載される。現場に赴かず遠隔で状況把握・復旧を支援でき、突発停止のリスク抑制と計画的メンテナンスの両立を図る。

 背景には物流業界における人手不足と需要拡大がある。政府の「物流革新緊急パッケージ」では、対策を講じなければ輸送力が2030年度に最大34%不足するとされ、EC普及による宅配増加が物流現場への負荷を高めている。一方で自動化が進む現場では、設備の突発停止による供給網への影響が深刻な課題として残っている。「ITOKIアドバンスドメンテナンス」は、センサーや制御装置で収集した稼働時間・動作回数・動作距離などのデータをAIが解析し、異常検知、入庫制限、部品交換時期の最適化などを実施することで、安定した「止めない運用」を実現する。

 同システムは稼働データの可視化とAI異常検知により、従来の時間基準による保守では困難だった微細な変化の検知を可能にする。またリモートメンテナンス機能により、拠点外から制御盤操作や一部ソフトウェア更新ができ、復旧時間短縮や保守員の負担軽減につながる。まずはSAS-R向けに提供し、将来的には他の物流設備への展開も視野に入れる。イトーキと日本オラクルは、AIとデータを活用した保全高度化で持続可能な物流インフラ構築に貢献していく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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