FRONTEOのAI「KIBIT」、慶應大の難治がん研究に採用、新規免疫治療法の創出支援へ

■遺伝子改変T細胞療法など先端研究にAI活用、研究者の発想広げる

 FRONTEO<2158>(東証グロース)は11月6日、医学論文探索AIシステム「KIBIT Amanogawa(キビットアマノガワ)」が、慶應義塾大学薬学部病態生理学講座の難治がん研究に採用されたと発表した。同講座は去勢抵抗性前立腺がんや多発性骨髄腫など既存治療薬が効きにくいがんに対し、新たな免疫治療法の開発に取り組んでいる。特にがん細胞で高発現する抗原に特異的なT細胞受容体遺伝子を用いた遺伝子改変T細胞療法など、世界的に注目される先端研究を推進している。

 難治がんの研究には世界中の3500万報超の医学論文から知見を抽出し、未知の遺伝子や疾患との関連性を見出す作業が不可欠とされる。「KIBIT Amanogawa」は従来のキーワード検索や人手によるレビューでは得られない「非連続的発見」を可能とし、未報告の遺伝子と疾患の関係性を可視化する点が評価された。慶應義塾大学の松下麻衣子教授は、同システムによる迅速な情報取得とサポート体制を導入の理由として挙げている。

 FRONTEOは、同システムの導入が新規免疫治療法の研究加速やアンメット・メディカル・ニーズの解消につながると期待を示した。同社は自然言語処理技術を基盤とするAI創薬のリーディングカンパニーとして、創薬支援や情報解析の高度化を通じ、日本を再び創薬立国とする構想の実現を目指す考えである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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