イノベーションホールディングス、26年3月期連結業績・配当予想を上方修正、店舗転貸借事業が計画超で収益を牽引

(決算速報)
 イノベーションホールディングス<3484>(東証プライム)は11月13日に26年3月期第2四半期累計(以下、中間期)連結業績を発表した。前回予想を上回る大幅増収増益だった。主力の店舗転貸借事業において成約件数が計画を上回ったほか、不動産売買事業における大型案件成約も寄与した。そして通期の連結業績予想および配当予想を上方修正した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は9月の年初来高値圏から反落したが切り返しの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■26年3月期中間期大幅増益、通期連結業績・配当予想を上方修正

 26年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比13.5%増の94億06百万円、営業利益が46.6%増の9億98百万円、経常利益が54.3%増の10億77百万円、親会社株主帰属中間純利益が51.4%増の7億11百万円だった。

 前回予想(25年5月13日付の期初公表値、売上高90億92百万円、営業利益7億78百万円、経常利益7億69百万円、親会社株主帰属中間純利益5億01百万円)を上回る大幅増収増益だった。主力の店舗転貸借事業において成約件数が計画を上回ったほか、不動産売買事業における大型案件成約も寄与した。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業を含む)は売上高が17.5%増の85億81百万円、営業利益が30.1%増の7億34百万円だった。転貸借契約件数(新規契約件数と後継付け件数の合計)は31.3%増の285件、中間期末時点の転貸借物件数は前期末比150件純増の2856件となった。旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に加え、営業組織の構造改革効果や仕入物件の対象拡大も寄与して、転貸借物件数が順調に積み上がっている。

 不動産売買事業は売上高が16.1%減の8億25百万円、営業利益が2.3倍の2億64百万円だった。3物件を売却、3物件を取得して中間期末時点の保有物件数は4件となった。前年同期比では減収だが、大型かつ高収益な物件売却が寄与して大幅増益だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が48億16百万円で営業利益が5億54百万円、第2四半期は売上高が45億90百万円で営業利益が4億44百万円だった。

 通期の連結業績予想は11月13日付で上方修正して、売上高が前期比16.4%増の193億88百万円、営業利益が28.5%増の17億43百万円、経常利益が35.2%増の19億35百万円、親会社株主帰属当期純利益が23.8%増の12億74百万円としている。配当予想も11月13日付で期末4円上方修正して、前期比6円増配の34円(期末一括)としている。予想配当性向は44.8%となる。

 前回予想(25年5月13日付の期初公表値、売上高188億72百万円、営業利益16億04百万円、経常利益15億78百万円、親会社株主帰属当期純利益10億30百万円)に対して、売上高を5億15百万円、営業利益を1億39百万円、経常利益を3億56百万円、親会社株主帰属当期純利益を2億43百万円、それぞれ上方修正して大幅増収増益予想としている。

 修正後の通期予想に対する中間期の進捗率は売上高49%、営業利益57%、経常利益56%、親会社株主帰属当期純利益56%である。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は9月の年初来高値圏から反落したが切り返しの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。11月13日の終値は1095円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS75円96銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の34円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS239円08銭で算出)は約4.6倍、そして時価総額は約194億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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