And Doホールディングス、1Qは減収減益も計画上回る、事業ポートフォリオ再構築進展で通期増益予想維持

(決算速報)
 And Doホールディングス<3457>(東証プライム)は11月13日に26年6月期第1四半期連結業績を発表した。事業ポートフォリオ再構築中のため減収減益だが計画を上回る水準だった。そして通期の増益予想を据え置いた。ハウス・リースバック事業縮小と不動産売買事業強化のためウエイトシフト期間と位置づけ、下期偏重の計画としている。また当期中にリフォーム事業譲渡の実現を見込む。積極的な事業展開で通期ベースでの収益拡大を期待したい。株価は年初来安値圏でやや軟調だが、下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■26年6月期1Q減益だが計画を上回る水準、通期増益予想据え置き

 26年6月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比17.9%減の119億46百万円、営業利益が46.0%減の2億07百万円、経常利益が36.3%減の1億86百万円、親会社株主帰属四半期純利益が87.2%減の18百万円だった。事業ポートフォリオ再構築中のため減収減益だが計画を上回る水準だった。

 フランチャイズ事業は売上高(調整前)が3.3%増の8億25百万円、営業利益(調整前)が7.8%減の4億58百万円だった。人材・広告宣伝投資により利益率が一時的に低下した。累計加盟店数(レントドゥ含む)は18店舗増加して726店舗(うち準備中107店舗)となった。

 不動産売買事業(従来の不動産流通事業を含む)は、売上高が19.0%減の81億24百万円(うち中古住宅売上高は34.5%増の21億47百万円)で、営業利益が40.9%減の3億89百万円だった。前年同期の大型案件の反動で減収減益だった。売却件数は44件増加して327件だった。

 金融事業は、売上高が10.3%増の1億46百万円、営業利益が16.8%増の47百万円だった。リバースモーゲージ保証残高の増加で増収増益だった。リバースモーゲージ保証の新規保証件数は4件増加して134件、保証残高は68億32百万円増加して298億08百万円となった。

 ハウス・リースバック事業は売上高が22.1%減の24億24百万円、営業利益が18.6%減の3億02百万円だった。事業ポートフォリオ再構築で仕入件数を抑制した。物件取得数は164件減少して67件、期末保有物件総額は23億04百万円減少して79億45百万円となった。なお、営業外収益の匿名組合投資利益として計上しているHLBファンドからの利益分配(前期は86百万円、当期は1億58百万円)を含めると、利益は0.7%増の4億61百万円だった。

 その他(26年6月期中に譲渡予定のリフォーム事業を含む)は売上高が9.6%減の4億65百万円、営業利益が81.2%減の8百万円だった。

 通期連結業績予想は前回予想(25年8月14日付の期初公表値)を据え置いて、売上高が前期比15.0%減の550億円、営業利益が10.6%増の29億円、経常利益が1.9%増の30億円、親会社株主帰属当期純利益が18.4%増の27億72百万円としている。配当予想も据え置いて前期比1円増配の46円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は33.1%となる。

 セグメント別利益(調整前営業利益)の計画は、フランチャイズ事業が5.2%増の20億20百万円、不動産売買事業が73.0%増の35億15百万円、不動産流通事業が85.3%減の75百万円、金融事業が122.8%増の4億円、ハウス・リースバック事業が58.9%減の9億30百万円としている。なお当期より事業セグメントを変更し、不動産流通事業は規模の縮小に伴って不動産売買事業に、リフォーム事業は当期中に事業譲渡の実現を予定しているためその他事業に含む。

 重点施策としてフランチャイズ事業は都市部を中心に新規加盟獲得に注力する。不動産売買事業は中古住宅買取再販を強化し、利益率および回転率の改善を図る。金融事業は都市部を中心に取り組みを強化し、残高積み上げのペースアップを図る。ハウス・リースバック事業は取扱件数を大幅抑制するが、金融事業の補助的役割などポジションを変えて継続する。

 26年6月期は増益予想としている。ハウス・リースバック事業縮小と不動産売買事業強化のためウエイトシフト期間と位置づけ、不動産売買事業の人員補強から業績転嫁へのタイムラグを考慮して下期偏重の計画としている。また特別利益にリフォーム事業譲渡益の計上を見込んでいる。第1四半期は事業ポートフォリオ再構築中のため減収減益だが、計画を上回る水準で着地した。積極的な事業展開で通期ベースでの収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は年初来安値圏でやや軟調だが、下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。11月13日の終値は1069円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS138円90銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の46円で算出)は約4.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS923円77銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約213億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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