三菱重工、キリングループとの物流自動化実証を完了、入出庫から荷役まで一貫自動化へ

■無人フォークリフトとΣSynXで荷積み・荷降ろしの実効性を検証

 三菱重工業<7011>(東証プライム)は11月13日、キリンホールディングス<2503>(東証プライム)グループのキリンビバレッジならびにキリングループロジスティクスと進めてきた飲料倉庫における入出庫およびトラック荷積み・荷降ろしの自動化を目指す共同実証を完了したと発表した。同実証は、物流現場で深刻化するオペレーター不足やトラックドライバーの労働時間削減といった2024年問題を背景に、荷役作業を自動化するためのプロセス確立を目的としている。新型無人フォークリフトや三菱重工のデジタル基盤「ΣSynX(シグマシンクス)」を活用し、安全性と柔軟性を備えた自律運転技術の検証を重ねた。

 共同実証は2024年8月から、同社の「Yokohama Hardtech Hub(YHH)」内の「LogiQ X Lab」やキリングループロジスティクス西名古屋支店など複数拠点で実施された。作業工程を「ピッキング」「入出庫」「荷積み・荷降ろし」の3領域に整理し、有人フォークリフトとの協働環境における安全要件や運用ルールを導出した。倉庫の保管状況に応じた走行ルート変更、荷揃えや配置替えといった高度な運転制御についても効果を確認した。

 三菱重工業は、2024年12月に稼働開始したキリングループの海老名物流センターでの自動ピッキングソリューションを皮切りに、物流倉庫全体を自律化する「かしこく・つなぐ」ソリューションの拡張を進めている。今回の実証成果を踏まえ、今後もΣSynXを活用した高度物流の実用化を推進し、2024年問題を含む物流業界の課題解決に貢献する方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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