巴工業、25年10月期増収増益・増配、26年10月期も増収増益・増配予想、配当性向目標引き上げ

(決算速報)
 巴工業<6309>(東証プライム)は12月11日に25年10月期連結業績を発表した。機械製造販売事業がけん引して増収増益だった。そして26年10月期も増収増益予想とした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお配当については25年10月期の配当を上方修正し、さらに25年12月11日付で新中期経営計画(26年10月期~28年10月期)を公表して連結配当性向目標を50%以上(従来は連結配当性向40%以上を目標)に引き上げた。株価は水準を切り上げて最高値を更新した。好業績に加えて高配当利回りも支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■25年10月期増収増益、26年10月期も増収増益予想

 25年10月期の連結業績は売上高が前期比13.9%増の593億65百万円、営業利益が13.8%増の53億52百万円、経常利益が13.1%増の54億01百万円、親会社株主帰属当期純利益が6.5%増の38億51百万円だった。前回予想(売上高592億円、営業利益53億円、経常利益53億50百万円、親会社株主帰属当期純利益37億60百万円)を上回る増収増益だった。機械製造販売事業の大幅伸長が牽引した。

 機械製造販売事業は売上高が前期比17.2%増の152億38百万円、営業利益が55.4%増の18億44百万円だった。売上高の内訳は、需要先別には国内官需が31.0%増の59億15百万円、国内民需が36.3%増の49億41百万円、海外が9.9%減の43億81百万円、製品別には機械が32.8%増の38億81百万円、装置・工事が57.6%増の24億85百万円、部品・修理が4.3%増の88億71百万円だった。海外向け機械および部品・修理が伸び悩んだが、国内官需および民需が好調に推移した。

 化学工業製品販売事業は売上高が12.8%増の441億27百万円、営業利益が0.2%減の35億08百万円だった。製品別の売上高は、合成樹脂関連が解散を決議した中国子会社の操業停止の影響などで20.0%減の36億19百万円、工業材料関連が1.2%減の65億10百万円、鉱産関連が樹脂向け添加剤の大幅伸長により119.9%増の139億15百万円、化成品関連がコーティング用途向け材料の好調で8.8%増の104億83百万円、機能材料関連が半導体製造用途向け材料の伸び悩みで27.4%減の52億27百万円、電子材料関連が半導体組立用途向け材料の伸び悩みで6.6%減の43億68百万円だった。その他(洋酒等)は2百万円(前年同期は1億51百万円)だった。売上面は全体として増加したが、利益面は人件費を中心とする販管費の増加により微減益だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が150億86百万円で営業利益が17億93百万円、第2四半期は売上高が162億30百万円で営業利益が19億18百万円、第3四半期は売上高が150億90百万円で営業利益が10億95百万円、第4四半期は売上高が129億59百万円で営業利益が5億46百万円だった。

 26年10月期の連結業績予想は売上高が前期比6.5%増の632億円、営業利益が7.4%増の57億50百万円、経常利益が6.8%増の57億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.1%増の42億円としている。

  セグメント別の計画は、機械製造販売事業の売上高が前期比14.2%増の174億円で営業利益が12.8%増の20億80百万円、化学工業製品販売事業の売上高が3.8%増の458億円で営業利益が4.6%増の36億70百万円としている。いずれも需要が高水準に推移し、販管費の増加を増収効果で吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

 配当については25年12月11日付で期末10円上方修正した。25年5月1日付の株式3分割後に換算すると年間60円33銭(第2四半期末24円33銭、期末36円)となり、株式3分割換算後の24年10月期の48円33銭(第2四半期末21円、期末27円33銭)に対して12円増配となる。26年10月期の配当予想は年間72円(第2四半期末36円、期末36円)で、前期(株式3分割換算後)比11円67銭増配となる。予想配当性向は50.4%である。なお25年12月11日付で新中期経営計画(26年10月期~28年10月期)を公表し、配当方針を変更した。株主資本配当率(DOE)を下限として連結配当性向50%以上を目標(従来は連結配当性向40%以上を目標)とする。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて最高値を更新した。好業績に加えて高配当利回りも支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。12月11日の終値は1754円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS142円77銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の72円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1427円68銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約525億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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