寿スピリッツ:3Q業績も増収・増益、過去最高値を更新

寿スピリッツ 2222

■積極施策奏功にシルバーWなど環境改善なども追い風に

 寿スピリッツ<2222>(東1)は、経営スローガンに「WSR(世界へ、ありえないほどの驚きの、超感動を提供する)」を掲げ、マーケット特性にマッチしたプレミアム・スイーツの提供、売場・接客サービスの向上、イベント・キャンペーン展開の推進などに取り組んだ。特に、重点施策として首都圏エリアでのWSR展開や、インバウンド対策の強化、アジアを中心とするアウトバウンド対策が実績化しはじめたのに加え、消費税増税の影響一巡、シルバーウイークなど外部環境の改善傾向などが売上への追い風となった。

 その結果、今期16年3月期第3四半期(4月~12月)業績は、売上高19,078百万円(前年同期比11.1%増)となり、利益面では、増収効果に加え、製造採算の改善や経費の効率的使用など、売上高販管費率の伸びが抑えられ、営業利益2,429百万円(同53.9%増)、経常利益2,463百万円(同54.1%増)、純利益累計は1,686百万円(同79.0%増)とそれぞれ増加し、第3四半期として過去最高値を更新した。なお、通期業績見通しは従来見込みを据え置いた。

■「シュクレイ」大幅躍進、成長力強化に期待大

 セグメント別概況は、売上高では、但馬寿の微減を除き各事業部門とも好調に推移した。特に、ブランド認知度向上が著しいシュクレイが前年同期に比べ33.6%と大幅増収となり、その他のセグメントも販売子会社10.6%増、寿製菓9.8%増、ケイシイシイ7.7%増、九十九島グループ4.4%増といずれも伸張した。

 「ケイシイシイ」は、昨年3月にリニューアルした主力商品「ドゥーブルフロマージュ」のキャンペーン展開の推進、新千歳空港をはじめ道内の卸展開、インバウンド対策の強化に注力。また、海外展開では、韓国ソウルにルタオ1号店を出店した結果、売上高は6,358百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益は777百万円(同31.6%増)。

 「寿製菓」は、地元山陰地区が低調であった反面、代理店、グループ会社向け「ラングドシャ」や「フィナンシェ」など焼き菓子系商品を中心に堅調に推移し、売上高は6,567百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益675百万円(同19.7%増)。

 「販売子会社」は、駅・空港・SAなどの交通拠点チャンネルを中心に、主力商品及び新商品の売場獲得などに注力。関西地区が関西国際空港での販売強化などにより増収となったほか、福岡地区も、「まっかな苺のラングドシャ」の拡販強化で堅調に推移し、売上高3,762百万円(前年同期比10.6%増)となり、営業利益282百万円(同57.5%増)と伸張した。

 「九十九島グループ」は、ららぽーと海老名にフレンチトースト専門店「Ivorish(アイボリッシュ)」を新規出店(昨年10月)したほか、JR博多駅の商業施設「マイング」のリニューアル(昨年12月)に合わせ「赤い風船マイング店」を増床し、店舗ブランドの展開強化に注力した。売上高は2,702百万円(前年同期比4.4%増)、営業利益は121百万円(同12.2%減)。

 「但馬寿」は、主力商品の「遊月亭の黒豆茶」を中心に通信販売を強化し、売上高は808百万円(前年同期比0.1%減)、営業利益は45百万円(同2.6%増)。

 「シュクレイ」は、「ザ・メープルマニア」など各ブランド訴求力向上のため、イベントによる店頭販促の充実、催事の推進、接客力の強化に注力。また、海外展開では香港に合弁会社を設立し、昨年12月に「東京ミルクチーズ工場」の上環(シェンワン)店を出店するなど香港での展開をスタート。売上高は、2,760百万円(前年同期比33.6%増)、営業利益は324百万円(同150.2%増)と大幅躍進、成長力に大きな寄与が期待される。

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