【チャート診断】NYダウは最高値接近で高値波乱の可能性、6月利上げが頭を押さえる公算

チャート診断

 NYダウは1日(金)、一時1万7811ドルまで上昇し昨年夏以来となる1万8000ドルに急接近となっている。

 振り返ってみると昨年5月19日に最高値1万8351ドル(場中値)をつけ、その後、中国ショックで8月24日の1万5370ドルまで約2980ドル下げた。8月安値に対し今年1月20日(1万5450ドル)と2月11日(1万5503ドル)にトリプル底を形成した。

 このトリプルボトムが強力な上昇サインとなって現在の強い上昇相場となっている。材料でみれば、昨年夏以降、20万人前後の新規雇用増加が継続し、昨年暮れには利上げに踏み切るほど足元の米国景気の好調の続いてことがNYダウの背景にあるといえる。

 今後はどうか。昨年5月高値から同8月安値までの下げ幅約2980ドルに対し、足元では昨年8月から前週末までの上げ幅は約2440ドルとなっている。全値戻しまで残り540ドルほどである。

 当然、ここからは、「昨年5月高値を更新するほど米国景気の先行きはよいのだろうか」という疑問が出てくるはずである。とくに、4月は利上げ見送りが濃厚だが、前週末発表された3月の雇用統計が21.5万人増と好調だったため6月の利上げ可能性は強まる可能性がありそうだ。

 そうなれば、例年5月はNYダウがピークをつけるケースが多いだけに今年も5月ピークの可能性が強まりそうだ。6月の利上げ濃厚を嫌気する形になることが予想される。ここからのNYダウは最高値接近で利上げを気にする動きを強め高値圏の波乱に移行する可能性がありそうだ。その場合、日本の政府・日銀が景気対策を打ち出せば、このところNYダウに2000円近くサヤをつけられ不振の日経平均がNYダウに代わって活躍する順番となる可能性がありそうだ。

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