【業績でみる株価】デクセリアルズは業績も株価も期待外れ、昨年上場時予想の16年3月期EPS111円は70円、さらに今期11円、株価底抜け

業績でみる株価

 デクセリアルズ<4980>(東1・100株)は、2015年7月の上場後初の本・決算となる16年3月期決算を27日に発表した。旧ソニーケミカルで、しかも、直接1部上場ということから期待されたが、期待外れの決算だった。しかも17年3月期はさらに減益幅が拡大しEPSはわずか11円台に落ち込む。株価は利回り妙味はあるものの、配当継続への不安感もあり浮上は難しそうだ・

 2016年3月期の営業利益については、上場直後の昨年8月時点では110億円の予想だったが、実績は予想を大きく下回る83億600万円(前期比13.6%減益)だった。EPSも上場時予想の111.1円が70.5円にとどまった。電子材料部品事業における接合関連材料及びリチウムイオン電池2次保護素子が不振。この傾向は17年3月期も続く見通しから今期売上3.8%減の603億円、営業利益は47.0%減の44億円、EPSはわずか11.6円に留まる見通し。

 前期年60円とした配当は今期年55円と5円の減配にとどめる方針。しかし、配当性向が500%と非常に高いことから期中の第2、第3四半期で減配を打ち出す可能性は否定できないろう。

 株価は昨年7月の上場時には初値1550円でスタート、8月には1790円まで上値を伸ばした。それ以降は株価もまったく期待外れの右肩下がりの展開、直近4月28日には888円と上場来安値に沈んでいる。株価八八八円は末広がりの底打ちのようにみえるが底入れ難しいだろう。

 EPS11円でPERは80倍、年55円配当に対する利回りは6.1%と高いが、減配の可能性の匂いを含んだものだけに55円配当継続の見極めがつくまでは手掛かりにはならないだろう。旧ソニケミカルということから個人の信用買いが非常に多く、今後も処分売り継続が予想されそうだ。新規では手を出さないのがよさそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■開発者や投資家に加え、警鐘を鳴らす識者やアーティストも選出、多様な視点でAIの未来を問う  米T…
  2. 【効率化の先に広がる新しい働き方のルール】 ■広がり始めた「AI格差」  生成AIの利用が急速に…
  3. ■R35 GT-R最終生産、累計4万8000台が築いた伝説  日産自動車<7201>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る