【業績でみる株価】セキドは16年3月期の下方修正織り込み今期の回復に期待、高成長のリユース分野に積極展開

 セキド<9878>(東2・1000株)は、このほど、好調だったインバウンド需要の変化から2016年3月期を下方修正、赤字となる見通し。17年3月期はリユース分野に進出強化等で黒字転換を目指す。株価は下方修正に響かず、年初来安値77円(2月12日)に対し90円前後で底堅く推移している。今期黒字への期待と1株純資産175円が背景といえる。3月期決算発表で今期の黒字幅次第では人気銘柄だけに100円台乗せも予想されそうだ。

 16年3月期は営業赤字2億9000万円の予想。同社の関戸正実社長(写真)は、「国内景気が力強さを欠いているうえ、しかも、これまで需要を牽引してきたインバウンド需要にも変化が見られる。買い物中心の団体ツアーから個人旅行を楽しむ観光に移っており、一時の爆買いは衰えている」という。このため、16年3月期売上は18億円下方修正の108億円とした。

 今期(17年3月期)は、なんとしても黒字転換を目指す。これまで、バッグ、時計など新品の高級品中心にネット販売と店舗販売(銀座ラブラブ23店舗)でやってきたが、「今期はリユース分野も積極的に展開する。これまで、リユースに抵抗のあったことは事実だが、社会的な動向でも1990年~2000年が高級新品中心だったのに対し、最近はリユース分野が高い伸びとなっている。当社は、『新品は柱、勢いの中古』と位置づけ、現在の新品売上100億円をキープし、リユース品を3~5年で新品と同じ売上規模に持っていきたい。主力の銀座ラブラブ・ブランドとは別に、既に、リユースブランドで店舗販売にも力を入れている。また、宝飾品と相関性の高い美容の分野において、韓国、中国でヒット商品となっている、『マスク・シート』の輸入総代理店となり当社の販売チャンネルで好調だ。今期はなんとしても黒字を目指す」(関戸社長)という。

 株価は昨年6月にインバウンド関連人気で285円まで上伸、その後は爆買いに対する警戒もあって調整入り、今年2月には77円まで下げた。しかし、下方修正を発表した4月22日以降は下値を切上げる展開。まもなく、発表の決算発表で今期業績回復次第では一気に上値を伸ばす可能性がありそうだ。

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