【編集長の視点】積水ハウスは反落も期末の好配当利回り買い再燃を期待して逆張りも一考余地

積水ハウス 1928

編集長の視点 積水ハウス<1928>(東1)は、31円安の1520円と急反落して始まっている。きょう16日の日経平均株価が、米国ニューヨークダウ平均株価の5営業日続落や急速な円高進行の影響で、374円安と急反落してスタートしたことから、昨年12月4日につけた昨年来高値1646.5円を意識している同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ同社株には、1月期期末の1月27日の権利付き最終日を前に連続増配を見直し好配当利回り買いが再燃するとの期待も根強く、下値は逆張りも一考余地がある。今1月期純利益が、昨年11月に上方修正され連続の過去最高更新の更新幅を拡大することも、割安内需株人気につながりそうだ。

■自社不動産投信向けに保有不動産を売却し純利益は大幅続伸

同社の1月期配当は、50円(前期実績43円)と連続増配が予定されている。中期的な平均配当性向として最低40%を確保することを基本的な配当政策としており、今期の配当性向は、前期の36.2%が約38%に高まる。同社は、この連続増配のほかにも株主への利益還元策に積極的で、昨年11月に上限を1000万株(発行済み株式総数の1.44%)、取得総額を170億円とする自己株式取得を取締役会決議し、12月11日にこれを買い付け価格1524.5円で立会外買付取引で取得、取得総額は152億4500万円二達し取得を終了した。

 この積極的な株主への利益還元策の前提となる今1月期業績も、昨年9月に一部下方修正したものを昨年11月に今度は上方修正するなど好調に推移している。消費税増税前の駆け込み需要の反動減を積極な新規格住宅の営業活動などでカバーしたことなどが要因となっており、純利益は、上場が承認された同社の不動産投信向けに保有不動産を売却したことも寄与し、890億円(前期比11.5%増)と連続して過去最高を更新する。

■インカムゲイン、キャピタルゲインを狙える両建て妙味を示唆

株価は、不動産投信の上場承認に今期業績の上方修正、自己株式取得の好材料が続いて昨年来高値まで2割高し、調整安値1484円からは自己株式立会外買付取引を見直して1600円台を回復、1500円台固めを続けてきた。PERは11倍台と割安で、年間配当利回りも、3.2%と東証1部全銘柄平均の1.55%を上回っており、インカムゲイン、キャピタルゲインとも狙える両建て妙味を示唆している。(本紙編集長・浅妻昭治)

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