【水田雅展の株式・為替相場展望】不安定な展開だが、リスクオフのポジション調整の動きはほぼ一巡の可能性

株式市場 東京証券取引所 株価

(19日~23日)

 1月19日~23日の株式・為替相場は、外部要因に大きな変化はなく、不安定な展開が継続しそうだ。ただし海外投資家の換金売りや、リスクオフのポジション調整の動きがほぼ一巡し、仕掛け的な動きも弱まる可能性があるだろう。一方では、週末から始まる3月決算企業の10~12月業績発表を睨んで下値買いの動きが強まりそうだ。

 原油価格の急落、ロシア・ルーブルの急落、ギリシア情勢の不透明感、ECB(欧州中央銀行)の量的緩和観測、そしてスイス国立銀行の為替介入上限撤廃と続き、外国為替市場ではドル安・円高、ユーロ安・円高方向への動きを強めた。また株式市場では、日経平均株価が16日に1万6592円57銭まで調整する場面があった。

 こうした外部要因によるリスクオフの状況に大きな変化はなく、20日の中国10~12月期GDP、20日~21日の日銀金融政策決定会合と21日の黒田日銀総裁の記者会見、22日のECB理事会とドラギ総裁の記者会見、そして25日のギリシア総選挙という重要イベントを控えて、為替相場・株式相場とも不安定な動きが継続しそうだ。

 ただし、原油価格とロシア・ルーブルの急落に端を発した海外投資家の換金売りや、リスクオフのポジション調整の動きはほぼ一巡した可能性があり、地合い悪化に乗じた仕掛け的な動きも弱まる可能性があるだろう。

 一方では、22日の安川電機<6506>や日本電産<6594>を皮切りとして、日本でも3月決算企業の10~12月期業績発表が本格化する。14年10月31日の日銀「黒田バズーカ2」を機に急速に円安が進行し、15年3月期通期業績の増額期待が高まっているだけに、業績発表を睨んで主要銘柄の下値には買いが入りやすくなるだろう。20日に12月訪日外国人旅行客数が発表されることもあり、物色面では中小型の好業績銘柄やテーマ関連銘柄にも注目したい。

 その他の注目スケジュールとしては19日の日本12月消費動向調査、ユーロ圏11月経常収支、20日のオバマ米大統領一般教書演説、中国12月工業生産高・小売売上高・固定資産投資、独1月ZEW景況感指数、21日の日本11月全産業活動指数、米12月住宅着工件数、ブラジル中銀政策金利発表、米11月FHFA住宅価格指数、23日の中国1月HSBC製造業PMI、ユーロ圏製造業PMI、米12月シカゴ連銀全米活動指数、米12月コンファレンスボード景気先行指数、米12月中古住宅販売件数などがあるだろう。なお21日~24日に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催される。

 その後は1月27日~28日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、30日の米10~12月期GDP、2月9日~10日のG20財務相・中央銀行総裁会議、13日のユーロ圏10~12月期GDP、16日の日本10~12月期GDPなどが予定されている。(アナリスト)

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