【材料で見る株価】「完全養殖マグロ11月出荷」への期待が再燃しフィード・ワン、極洋が活況高

■8月に発表済みだが漁獲規制の広がりなどの新聞報道に刺激される

 配合飼料の大手、フィード・ワン<2060>(東1)は5日の後場寄り後に一段高となり、13時にかけて20%高の330円(56円高)前後まで上げて2014年の経営統合後の高値を更新した。東証1部銘柄の値上がり率1.2位を争っている。5日付の日本経済新聞・朝刊に載った「漁獲規制の広がりで脚光、マグロ完全養殖」との記事の中に、「11月以降に初出荷を予定する飼料大手のフィード・ワンや極洋」との文言があり、注目が再燃した。極洋<1301>(東1)も3%高となって2000年以降の最高値を更新している。

 完全養殖のクロマグロについては、極洋、フィード・ワンとも2017年8月16日付で「完全養殖クロマグロ『本鮪の極 つなぐ<TUNAGU>』11月出荷開始」と発表しており、このときは極洋の株価の反応が大きかった。発表によると、極洋とフィード・ワン㈱の合弁会社である極洋フィードワンマリン㈱は、成魚となった完全養殖クロマグロを「本鮪の極 つなぐ <TUNAGU>」と名付け、2017年11月より出荷を開始する。

 フィードワンの連結業績は好調で、17年3月期に営業利益や純利益が経営統合後の最高を更新した。株価水準もPER17倍前後のため、東証1部銘柄の平均PER16倍と見比べて割高感はないといえる。また、極洋の業績は16年3月期を底に回復傾向が続いており、株価はPER14倍前後だ。「両銘柄とも上げピッチが急激になってしまったため乗り遅れた気分になりそうだが、相場の特性として、急伸相場が一巡した後は反動安がつきものであり、ジリ高基調に崩れがない限りは反動安をとらえて再び乗るチャンスは巡ってくる」(市場関係者)との見方が出ている。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■山口県周南市で始動、燃料電池の定置型電源活用で脱炭素電力供給を検証  ホンダ<7267>(東証プ…
  2. ■LINEリサーチ発表、上半期トレンド総括と最新6月期の動向  LINEヤフー<4689>(東証プ…
  3. ■休廃業・解散は減少も淘汰続く、新興市場の課題鮮明に  東京商工リサーチは7月31日、国内ドローン…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  2. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…
  3. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  4. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  5. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  6. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る