【ラ・アトレ】最高益など受け18年12月期の配当を倍増し12円の予定に

■前12月期の業績は高額物件の寄与なども加わり売上高が75%増加

 分譲マンションや収益不動産開発などのラ・アトレ<8885>(JQS)の2017年12月期の連結業績(2月14日発表)は、新築分譲マンション事業が好調に推移したほか、リノベーションマンション事業も1戸2億円を超える物件の取扱いを開始するなど順調に拡大し、売上高は82億7100万円(前期比74.5%の増加)と大幅に増加し、経常利益は最高を更新して6億1200万円(同2.9倍)となった。また、ハイブリッド型シェアハウス「RooF明大前」(東京)や次世代型クリエイティブマンション「LA代々木」(東京)などのデベロップメント業務も推進し、純利益も過去最高の4億5000万円(同2.6倍)となった。

■創立30周年に向けた中期計画は順調に進捗し今期も売上高32%増を見込む

 同社は、専業が少なくない不動産業界の中でバランスの取れた事業構成を戦略的に進めており、この期の事業部門別の営業利益構成は、新築不動産販売が43%、再生不動産販売が33%、不動産管理が24%。財務戦略も、急激な不動産マーケットの変動が起きた際に柔軟に対応できる財務体質に力点を置き、短期借入金などの流動負債は長期借入金などの固定負債の約半分にとどまっている。

 不動産管理事業はインカムゲイン型事業のポートフォリオ最適化に重点を置き、高齢者住宅施設、オフィスビル、住宅、商業施設等の用途別に資産ポートフォリオを構築。アロケーション(配分)においては、17年6月に提携したストームハーバー証券のアドバイスも受けつつ、積極的に入れ替える予定としている。また、海外事業では、日本の上場デベロッパーとしては初めて、カンボジアで分譲高層マンションの開発に着手した。

 こうした高成長に加え、現在進行中の各プロジェクトが概ね順調に進捗していることなどから、17年12月期の期末配当(期末一括制)は前期の1株当たり5円に対し1円増の6円の予定とした。また、配当方針の変更も発表し、13年12月期以降、5期連続の増収を続け、さらに、17年12月期には経常利益が過去最高を更新したことなどを踏まえ、「親会社株主に帰属する当期純利益」をベースとした配当性向を「10%以上20%目標」とする利益還元を目指すことを基本方針とし、今期・18年12月期の配当を一挙に12円の予定に増額するとした。

 今期・18年12月期の連結業績見通しは、売上高を108億7600万円(前期比31.5%の増加)とし、経常利益は8億円(同30.6%の増加)、純利益は5億4600万円(同21.3%の増加)、1株利益は103円96銭。

 同社では、いま、創立30周年に向けた中期計画(17年12月期~19年12月期)を推進しており、初年度の17年12月期は営業・経常利益が計画を大きく上回った。2年目以降は、地方中核都市:福岡・京都等への推進力UP、分譲マンション、商業施設、収益不動産開発の積極的展開、時流に合わせたマーケティング/高齢者住宅施設&宿泊施設、新規事業・M&A含めた不動産周辺ビジネスへの取り組み、などを推進する計画で、3年目の19年12月期の連結業績を売上高120億円、経常利益10億2000万円、純利益7億700万円としている。(HC)

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