ノーリツがシステムキッチンなどからの撤退を発表しクリナップに注目集まる

■システムキッチン業界の再編を念頭に思惑を巡らせる動きも

クリナップ<7955>(東1)は12月5日の前場、715円(9円高)で昼休みに入り、12月2日につけた年初来の高値717円に迫った。

 10月下旬に業績予想の増額修正を発表するなど、業績回復が目立つ銘柄のひとつ。加えて直近は、「ノーリツ風呂釜」のノーリツ<5943>(東1)が事業の集中と選択を目的に「住設システム分野から撤退し、システムキッチン、システムバス、洗面化粧台の開発・生産・販売を2020年6月末に終了」(11月27日発表)などと発表したため、システムキッチンの大手としてクリナップに注目する動きが出ている。

■業界大手として大きな役割を担う可能性が

 ノーリツも前引けは17円高(1424円)となった。同社のシステムキッチン撤退は、国内事業の構造改革の一環。同発表では、さらに、「システムキッチン、洗面化粧台の開発・生産を担う子会社である株式会社アールビーのキッチンライフ事業所(群馬県前橋市)については、事業および事業所の譲渡について、関連取引先と交渉中」とした。

 このため、株式市場では、システムキッチン業界の再編を念頭に思惑を巡らせる動きもある。業界再編が始まる場合、クリナップは業界大手として大きな役割を担う可能性がある。買い材料として思惑が強まる可能性が言われている。

 クリナップの今期・20年3月期の連結業績予想は、さる10月31日に増額修正を発表した。売上高を前期比3.4%増の1080億円の見込みとし、営業利益は前期の4.65億円の赤字から24.50億円の黒字に、純利益は同7.04億円の赤字から15億円の黒字に、大きく拡大する見込みとした。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  2. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  3. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  4. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…
  5. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  6. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る