神鋼商事は売り一巡

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 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期は3月31日に下方修正して減益・減配予想とした。当面は新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は安値圏だが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■20年3月期減益予想

 20年3月期連結業績予想(3月31日に売上高、利益とも下方修正)は、売上高が19年3月期比1.7%減の9360億円、営業利益が31.8%減の54億円、経常利益が40.1%減の48億円、純利益が50.2%減の25億円としている。配当予想(3月31日に期末20円下方修正)は、20円減配の90円(第2四半期末55円、期末35円)である。

 北米エネルギー業界の低迷により、米国子会社において在庫評価損約11億円および貸倒引当金約11億円を計上する。また特別損失で投資有価証券評価損を約6億円計上する。

 当面は新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は安値圏だが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。4月13日の終値は1650円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS282円33銭で算出)は約6倍、前期推定配当利回り(会社予想90円で算出)は約5.5%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約146億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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