【株式評論家の視点】データセクションは下値固まる、ビッグデータ関連、決算発表待ち

株式評論家の視点

データセクション<3905>(東マ)は、4月3日の688円をボトムに720円どころでモミ合い値を固める展開となっている。昨年12月24日に、マザーズに新規上場した。これまでの高値は今年1月7日につけた1730円となっている。

同社は、ソーシャル・ビッグデータに関する分析ツール、コンサルティング及びセミオーダー型システム開発を提供するソーシャル・ビッグデータ事業を運営している。これまでに累計300社近くの企業にSaaSサービスを導入し、100社以上もの企業でレポーティングの依頼を受けている。

SaaS Insight Intelligenceシリーズは、「ソーシャル・ビッグデータの傾聴・分析を行うツール」で、調べたいトピックに対して、網羅的に収集したソーシャル・ビッグデータをリアルタイムに分析できる。ビッグデータの活用が広く認知されて来ていることから堅調に新規受注を獲得している。

 リサーチコンサルティング SaaSで提供するツールだけでは自社の要望を可視化できない顧客に対し、ソーシャル・ビッグデータから何を認識できるのかをレポーティングしている。営業面ではビッグデータの活用を経営課題とし始めた大企業を始め多くの企業からの引き合いがあり、広告代理店やSIer企業とのパートナーシップ連携によりコンサルティングサービスにおける販路開拓の基盤を築き上げている。

ソリューション ソリューションは、顧客が持つ「自社内ビッグデータ」を基に、同社グループに蓄積されているソーシャル・ビッグデータを組み合わせて、上記SaaSサービス技術を活用したセミオーダー型のサービスの提供を行うもので、ソーシャルビッグデータの新たなる活用に向けての需要が増加していることから業績も好調に推移している。

前2015年3月期第3四半期業績実績は、売上高が2億6400万円、営業利益が5300万円、経常利益が5000万円、純利益が3500万円に着地。

前期業績予想は、売上高が4億0900万円(前の期比29.0%増)、営業利益が1億1500万円(同2.0倍)、経常利益が1億1000万円(同83.3%増)、純利益が7000万円(同55.6%増)を見込んでいる。

株価は、1月7日につけた上場来の高値1730円から4月3日に上場来の安値688円まで6割の調整を挟んで4月14日高値833円と上昇。モミ合いから下値を探る動きとなっている。

3月20日に経済産業省公募のデータ利活用促進支援事業にデータセクション、デジタルインテリジェンスが運営するデータエクスチェンジコンソーシアムのプロジェクトが採択されたと発表したことが注目される。本公募事業は、経済産業省が、ベンチャーとデータ保有企業とのマッチングやベンチャーに対する技術的サポートなど、ベンチャーによるデータ利活用の環境整備を支援することにより、ベンチャーによるデータ駆動型イノベーション創出と日本の産業力強化につなげることを目的に実施するもので、今後の展開が期待される。ここから下押す場面があれば二番底形成となる可能性が高い。今期増収増益が観測されており、15日に予定される決算発表を機にリバウンド相場入りとなるか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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