旭化成の第1四半期は営業利益27%減だったが「住宅」「ヘルスケア」は増益保つ

■3月通期の予想は営業利益のみ数値化し32%から27%減を想定

 旭化成<3407>(東1)の第1四半期連結決算(2020年4~6月、8月4日正午過ぎ発表)は、売上高が前年同期比9.3%減の4551.59億円となり、営業利益は同27.2%減の301.03億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同44.3%減の135.88億円となった。

■人工呼吸器、ウイルス除去フィルターなどが伸びる

 新型コロナウイルス感染拡大による世界経済減速の影響を受け、「マテリアル」セグメントは前年同期比で減益となったが、『へーベルハウス』などの「住宅」セグメント及び「ヘルスケア」セグメントは増益を達成した。

 その「住宅」セグメントでは、新型コロナの影響により展示場の来場制限などの影響があったが、不動産部門における分譲事業が堅調に推移したことなどで増益になった。また、「ヘルスケア」セグメントでも、病院向け事業活動への制約などがあったが、新型コロナウイルス関連需要の増加により、人工呼吸器、ウイルス除去フィルターなどの販売数量が伸長したことなどにより増益となった。

 通期の業績予想は、「ヘルスケア」セグメントは買収した事業の寄与もあり、前期比で25%程度の増益を予想する。一方、「マテリアル」セグメントは同50%前後の減益を予想。また、「住宅」は、建築請負部門で3密防止策の実施に伴う工事遅延などにより引渡棟数の減少が続くこと、リフォーム部門での受注減の影響が出てくることなどで、通期では30%程度の減益を見込むとした。

 3月通期の連結業績予想は営業利益のみ数値化し、1200億円から1300億円の見込み(前期比32.3%から26.7%減)とした。(HC)

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