イトーキは21年12月期2Q累計大幅増益と順調

(決算速報)
 イトーキ<7972>(東1)はオフィス家具の大手で、物流機器などの設備機器関連も展開している。8月6日の取引時間終了後に21年12月期第2四半期累計連結業績を発表した。オフィスビル供給量減少などで減収だったが、利益率改善や販管費圧縮などで大幅増益と順調だった。通期の営業・経常利益横ばい予想を据え置いたが上振れを期待したい。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。第2四半期累計業績を評価して出直りを期待したい。

■21年12月期2Q累計大幅増益と順調、通期上振れ期待

 8月6日発表した21年12月期第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比4.8%減の615億72百万円、営業利益が11.6%増の29億36百万円、経常利益が12.9%増の28億30百万円、親会社株主帰属四半期純利益が固定資産売却益11億78百万円を計上して90.3%増の22億90百万円だった。

 ワークプレイス事業は6.0%減収だが13.8%増益だった。オフィスビル供給量減少などで減収だったが、ポストコロナを見据えたワークプレイス構築への投資が増加傾向となり、提供価値向上による利益率改善や販管費圧縮などで増益だった。設備機器・パブリック事業は2.1%減収で1.8%減益だった。物流設備関連は堅調だったが、前年好調だったデジタルサイネージ関連の設備投資が一巡した。IT・シェアリング事業は8.2%増収で赤字縮小した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高321億21百万円で営業利益16億67百万円、第2四半期は売上高294億51百万円で営業利益12億69百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が20年12月期比1.9%減の1140億円、営業利益が0.1%増の18億円、経常利益が1.0%増の19億円、親会社株主帰属当期純利益が特別利益計上・特別損失一巡で7億円の黒字(20年12月期は2億35百万円の赤字)としている。

 新型コロナウイルスなどで厳しい事業環境が続くことを想定して減収、利益率改善で減収影響を挽回して営業・経常利益横ばい予想としている。第2四半期累計は大幅増益と順調だった。そして各利益は通期予想を超過達成している。オフィス新築・改装・移転シーズンなどの季節要因で上期偏重の傾向があるが、通期上振れを期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は調整一巡して反発の動きを強めている。第2四半期累計業績を評価して出直りを期待したい。8月6日の終値は370円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円50銭で算出)は約24倍、時価総額は約169億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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