Jトラストは21年12月期2Q累計黒字転換、通期予想は再上振れの可能性

(決算速報)
 Jトラスト<8508>(東2)は8月12日の取引時間終了後に21年12月期第2四半期累計連結業績を発表した。東南アジア金融事業の収益改善、GL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収進展などで黒字転換した。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。株価は第2四半期累計業績に対してネガティブ反応となったが、目先的な売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■21年12月期2Q累計黒字転換、通期予想は再上振れの可能性

 21年12月期第2四半期累計の連結業績(IFRS)は、営業収益が前年同期比3.3%増の223億40百万円、営業利益が71億60百万円の黒字(前年同期は10億40百万円の赤字)、税引前利益が75億65百万円の黒字(同10億45百万円の赤字)、親会社所有者帰属四半期純利益が8.8倍の38億94百万円だった。

 日本金融事業が安定的に推移したことに加えて、韓国およびモンゴル金融事業の伸長、東南アジア金融事業の収益改善、GL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収進展などで黒字転換した。なお韓国およびモンゴル金融事業では、株式譲渡を延期したJTキャピタルおよびJT貯蓄銀行を継続事業として取り扱っている。

 セグメント別営業利益は日本金融事業が8.6%増の24億30百万円、韓国およびモンゴル金融事業が61.5%増の21億89百万円、東南アジア金融事業が20億84百万円の赤字(前年同期は28億94百万円の赤字)、投資事業が53億90百万円の黒字(同8億22百万円の赤字)、その他事業が41百万円の赤字(同2億74百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると第1四半期は売上収益108億67百万円で営業利益44億円、第2四半期は売上収益114億73百万円で営業利益27億60百万円だった。

 通期の連結業績(IFRS)予想(5月13日に上方修正)は据え置いて、営業収益が20年12月期比5.0%減の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期純利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。

 修正後のセグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円、その他が2億円の赤字としている。

 通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益53%、営業利益130%、税引前利益92%、当期純利益195%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は第2四半期累計業績に対してネガティブ反応となったが、目先的な売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。8月13日の終値は358円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約19倍、時価総額は約413億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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