【株式市場特集】新たなバリュー株の「倉庫・放送関連」に追随高を期待

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 今週の当特集は、新たなバリュー株に注目することとした。サプライチェーンの末端で景気循環的にも相場サイクル的にも最終局面で動意付く特性を業界自体が自認している倉庫株と、「ウイズ・コロナ」にも「アフター・コロナ」にも関連して活躍場面が見込まれる放送株である。いずれも業績は揃って上方修正と好調であり、にもかかわらず株価は低PER・PBR水準に据え置かれていることで共通しており、バリュー株ローテーションの一巡目を形成しつつ、先行グループのバリュー株への追随高を期待したい。

■最終局面で動意特性の倉庫株は業績面では先行し上方修正は早くも2回

 倉庫株は、物流インフラの一翼で国際複合輸送を展開し、コンテナ船などの海上運賃や代替え輸送の航空運賃の上昇を受け多くが今3月期業績を上方修正した。三井倉庫ホールディングス<9302>(東1)と住友倉庫<9303>(東1)の上方修正は、2回に達し配当も増配し、三菱倉庫<9301>(東1)も1回上方修正した。中堅倉庫株でも、渋沢倉庫<9304>(東1)、東陽倉庫<9306>(東1)、ケイヒン<9312>(東1)、川西倉庫<9322>(東1)、東洋埠頭<9351>(東1)などが業績を上方修正している。

 株価は、三井倉庫と住友倉庫に代表されるように1回目の業績上方修正で昨年9月に海運大手三社と同様に上場来高値まで買われたが、2回目の上方修正への反応は限定的で下値もみ合いが続いている。このためPERはそれぞれ5倍台、8倍台、PBRも0.8倍、0.7倍と割り負けており、倉庫株全般のバリュー株人気再燃をリードしよう。

■巣ごもり視聴で広告市場が回復の放送株も上方修正が相次ぐ

 放送株も、在京キー局は今3月期業績を揃って上方修正している。1回の上方修正にとどまったフジ・メディア・ホールデングス<4676>(東1)以外の残り4社のTBSホールディングス<9401>(東1)、日本テレビホールディングス<9404>(東1)、テレビ朝日ホールディングス<9409>(東1)、テレビ東京ホールディンググス<9413>(東1)は2回上方修正し、このうち日本テレビは、4期ぶりの過去最高純利益更新を見込んでいる。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景にした巣ごもり視聴でテレビ広告のスポット収入、タイム収入が好調に推移し、東京オリンピック・パラリンピック効果も追い風となった。ただ株価的には放送法により外国人の株式取得が規制されていることからメーンプレーヤーの外国人投資家の買い参戦が期待しずらく株価の反応は限定的とならざるを得ず、テレビ朝日、テレビ東京に至っては昨年12月に昨年来安値まで売られた。5社のPERは7倍台~14倍台、PBRは0.3倍~0.6倍と割り負けており、バリュー株ローテーションの参加資格を十分に充足している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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