トレジャー・ファクトリーは22年2月期3Q累計大幅増収増益

(決算速報)
トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)は1月12日の取引時間終了後に22年2月期第3四半期累計連結業績を発表した。リユース意識の高まりも背景とする買取サービスへの需要拡大、新規出店、既存店の売上増・利益率改善などで大幅増収増益だった。通期も大幅増収増益予想としている。第3四半期として過去最高の営業利益だったことをなど勘案すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■22年2月期3Q累計大幅増収増益、通期上振れ余地

22年2月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比25.8%増の168億86百万円で、営業利益が5億80百万円(前年同期は1百万円)、経常利益が6億19百万円(同62百万円)、親会社株主帰属四半期純利益が3億32百万円(同75百万円の赤字)だった。

第2四半期に新型コロナウイルス感染症再拡大に伴う緊急事態宣言や気温低下の影響を受けたが、累計ベースではリユース意識の高まりも背景とする買取サービスへの需要拡大、新規出店、既存店の売上増・利益率改善などで大幅増収増益だった。新規出店は14店舗、既存店売上(単体ベース)は108.1%、既存店の売上総利益率は1.2ポイント上昇して65.4%だった。子会社カインドオルの業績改善や、ピックアップジャパンの連結(20年10月子会社化)なども寄与した。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が56億68百万円で営業利益が3億43百万円、第2四半期は売上高が50億68百万円で営業利益が1億87百万円の赤字、第3四半期は売上高が61億50百万円で営業利益が4億25百万円だった。第2四半期はコロナ禍の影響を受けたが、第3四半期はコロナ禍の影響が和らいで営業利益が過去最高となった。

通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年2月期比20.8%増の226億36百万円、営業利益が7.5倍の8億04百万円、経常利益が4.7倍の8億18百万円、親会社株主帰属当期純利益が5億37百万円(21年2月期は1億34百万円の赤字)としている。配当予想も据え置いて21年2月期比6円増配の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

積極的な成長投資で費用が増加するが、過去最高水準の新規出店(21年12月末時点で17店舗の出店完了)に加えて、DXへの取り組み強化によるEC販売増加や出品作業効率化、新たなチャネルとして注力している自社オークションの活用による買取アイテム拡大などの効果も寄与して大幅増収増益予想としている。

第3四半期累計の進捗率は売上高が74.6%、営業利益が72.2%、経常利益が75.8%、親会社株主帰属当期純利益が61.8%と概ね順調だった。通期予想を据え置いたが、第3四半期として過去最高の営業利益だったことや、下期は冬物衣料による単価上昇なども見込まれることを勘案すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。なお21年12月の月次売上(単体ベース)は全店が114.9%、既存店が106.4%だった。既存店売上は4ヶ月連続の前年比プラスと順調である。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だったが、調整一巡して出直りを期待したい。1月12日の終値は887円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円50銭で算出)は約19倍、時価総額は約103億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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