ゼリア新薬はこの3月に高カリウム血症治療薬を発売開始、10月発売の「ヘパリーゼWシャイン」とともに期待強い

(決算速報)

■2025年3月期は売上高が15%増加し営業利益は26%増加

 ゼリア新薬工業<4559>(東証プライム)の2025年3月期・連結決算は、医療用医薬品事業のセグメント売り上げが前期比19%増加するなど好調で、連結売上高は同15.3%増の873億11百万円となり、営業利益は同26.8%増の121億97百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同28.5%増の99億36百万円だった。経常利益は同50.8%増加したが、前期に多額の為替差損を計上した一方、当期は為替差益に転じたことなどによる。

 医療用医薬品事業では、25年3月に高カリウム血症治療薬「ビルタサ懸濁用散分包8.4g」の国内での販売を開始し、早期の市場浸透に努めている。また、コンシューマーヘルスケア事業では、24年10月に発売した新製品「ヘパリーゼWシャイン」(清涼飲料水)の寄与が強まっている。

 今期・26年3月期の連結業績見通しは、売上高を900億円(前期比3.1%増)、営業利益を120億円(同1.6%減)、経常利益は120億円(前期比6.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は95億円(前期比4.4%減)と予想している。

 売上高は増加の予想だが、利益面では、エネルギー・原材料価格高騰の影響、研究開発費、海外子会社の基幹システム投資に係る費用などの経費の増加により営業利益は微減を見込む。また、前年度に計上した為替差益を当年度は見込んでいないため、経常利益なども微減を見込む。しかし、年間配当は1株につき48円(前期比1円の増配)を予定する。

 今期の売上高については、主力製品の潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」や「ディフィクリア」の海外における売上伸長が見込まれる。また、コンシューマーヘルスケア事業についても、「ヘパリーゼ群」が引き続き伸長していることに加え、「コンドロイチン群」、「ウィズワン群」などの主力製品や主力製品に次ぐ製品群の寄与により増収を見込んでいる。また、25年3月に高カリウム血症治療薬「ビルタサ懸濁用散分包8.4g」の国内での販売を開始し、早期の市場浸透に努めている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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