【注目銘柄】中央自動車はアルコール検知器特需を手掛かりに底値買いも一法

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 中央自動車工業<8117>(東証スタンダード)は、4月17日付けの日本経済新聞で、道路交通法施行規則の改正、施行に伴い今年10月1日からアルコール検知器によるドライバーの飲酒検査が義務付けられアルコール検知器が品薄になっていると報道されたが、ハンディ型の検知器を展開している同社の株価が、すでに改正道交法が交付された昨年11月に株価が急騰しており、材料織り込み済みと反応は限定的にとどまり、むしろ手仕舞い売りに押されている。ただ4月18日につけた年初来安値2087円を前に下値抵抗感を示しており、同社の業績寄与を先取りすれば材料株人気の再燃も期待でき底値買いも一考余地がありそうだ。ファンダメンタルズ的にもPERは8倍台で、テクニカル的にも25日移動平均線から約7%のマイナスかい離となっており、下げ過ぎ修正余地も大きい。

■道交法施行規則改正の飲酒運転測定の義務付けで品薄化

 改正道交法施行規則は、飲酒運転による悲惨な交通事故が頻発したことに対応し、昨年11月1日に交付され、10月1日から5台以上の営業車(白ナンバー)を使用する事業者などは、1名の安全運転管理者を選任し、アルコール検知器による飲酒の有無を確認することを義務付けている。中央自動車は、ハンディ型のアルコール検知器「ソシアック」を3万以上の企業、官公庁、協会に納入実績があり、警察の飲酒検問にも使用されている。電気式化学センサーを搭載し高精度で測定し、ブルートゥースを搭載してスマートフォンとの連携を可能としており、対象となる事業者は全国で30万を超え、管理下にある白ナンバーのドライバーは約782万人に及び、直行直帰も多いだけに需要増につながると観測されている。

 一方、目下集計中で5月13日に発表予定の2022年3月期業績は、売り上げ295億円(前期比7.0%増)、営業利益61億円(同12.8%増)、経常利益67億円(同11.6%増)、純利益45億円(同16.8%増)と続伸し、純利益は、過去最高(38億7500万円、2020年3月期)を2期ぶりに更新すると見込まれている。国内の新車販売台数は、半導体不足や部品のサプライチェーン問題から減少したが、高付加価値のコーティング剤を拡販し、道交法施行規則改正を前にアルコール検知器のブランド構築を強化したことなどが寄与する。次期2023年3月期業績は、5月13日の決算発表時の業績ガイダンスを待たなければならないが、検知器の特需拡大は業績押し上げ要因として注目される。

■PER8倍台、25日線から約7%のマイナスかい離と下げ過ぎ

 株価は、今期業績の続伸・連続増配予想で3650円高値まで750円高し、2769円まで往って来いの調整となり、改正道交法公布とともに年初来高値3025円へリバウンドしたものの、再度、下値を探り、配当権利落ちとともに年初来安値2087円まで売られた。ファンタメンタルズではPERが8.6倍、テクニカル的にも25日線から6.9%の下方かい離と下げ過ぎ、陰の極を示唆しており、底上げに再発進しまず年年来高値3025円から同安値2087円までの調整幅の3分の1戻し2399円水準の25日線クリアを目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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