ミロク情報サービスは23年3月期2Q累計が計画超の大幅営業・経常増益で通期予想も上方修正

(決算速報)
 ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は、10月31日の取引時間中に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。計画超の大幅増益だった。主力のERP製品が好調に推移し、各種クラウドサービスの拡販や一部ERP製品のサブスクリプション型への意向によるストック型サービス収入の伸長も寄与した。そして通期予想も上方修正し、先行投資を吸収して大幅増益予想とした。クラウドサービスの伸長や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して戻り一服の形だったが、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期2Q累計が計画超の大幅営業・経常増益で通期予想も上方修正

 10月31日に発表した23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比11.8%増の198億81百万円、営業利益が31.3%増の31億02百万円、経常利益が19.1%増の28億27百万円だった。親会社株主帰属四半期純利益は前期計上の特別利益(関係会社株式売却益)の剥落で36.1%減の19億35百万円だった。

 期初計画(売上高188億50百万円、営業利益23億70百万円、経常利益23億80百万円、親会社株主帰属四半期純利益15億20百万円)に対して、売上高は10億31百万円、営業利益は7億32百万円、経常利益は4億47百万円、親会社株主帰属四半期純利益は4億15百万円それぞれ上回り、大幅営業・経常増益で着地した。親会社株主帰属四半期純利益は減益幅が縮小した。

 中堅企業向け新ERPシステム「Galileopt DX」を中心に、主力ERP製品の売上が好調に推移した。さらに、各種クラウドサービスの拡販や一部ERP製品のサブスクリプション型への意向によるストック型サービス収入の伸長も寄与した。

 品目別の売上高は、システム導入契約売上高が前年同期比12.9%増の112億07百万円(内訳はハードウェア売上高が12.0%増の18億46百万円、ソフトウェア売上高が9.9%増の65億73百万円、ユースウェア売上高が21.2%増の27億87百万円)で、サービス収入が10.3%増の69億74百万円(内訳は会計事務所向け総合保守サービスTVSが0.7%増の12億64百万円、ソフトウェア使用料収入が45.0%増の18億27百万円、企業向けソフトウェア運用支援サービス収入が2.8%増の28億39百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が0.0%増の7億53百万円、サプライ・オフィス用品が1.7%減の2億89百万円)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が97億16百万円で営業利益が15億03百万円、第2四半期は売上高が101億65百万円で営業利益が15億99百万円だった。

 通期の連結業績予想は、第2四半期累計の好調を受けて10月31日付で上方修正し、売上高が22年3月期比11.5%増の408億円、営業利益が21.1%増の58億円、経常利益が17.4%増の56億円、そして親会社株主帰属当期純利益が20.3%減の36億円とした。配当予想は据え置いて22年3月期比5円減配(前期は特別配当5円を実施)の40円(期末一括)としている。

 前回予想に対して売上高を20億円、営業利益を10億円、経常利益を8億円、親会社株主帰属四半期純利益を7億円それぞれ上方修正した。下期に賃金引き上げ等を考慮した従業員への還元策の拡充、先行投資となる広告宣伝費の増額、関係会社の業績下振れリスクなどを想定するが、主力ERP製品やサービス収入の好調などで吸収して大幅営業・経常増益予想としている。親会社株主帰属四半期純利益は前期計上の特別利益が剥落するが、減益幅が縮小する見込みだ。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.7%、営業利益が53.5%、経常利益が50.5%、親会社株主帰属当期純利益が53.8%となる。クラウドサービスの伸長や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化も影響して戻り一服の形だったが、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。10月31日の終値は1494円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円57銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS743円26銭で算出)は約2.0倍、時価総額は約520億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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