【妻と夫の株ロマン】後半相場の焦点は何か

妻と夫の株ロマン


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■安倍内閣支持率がすべて、もしもヤメタとなれば相場急落もあり得る

 【妻】 暑い夏ですね。マーケットも熱くなればいいのですが。これから先、今年後半の相場はどうですか。

 【夫】 安倍政権がどうなるか、この点をもっとも注意してみている。後半の相場はこの一点にかかっていると思う。仮に、支持率がさらに下がって政局が不安定になるようだと外国人投資家が売り基調に変わってくる心配がある。

 【妻】 仮に、外国人投資家が売っても年金が買うのではありませんか。

 【夫】 年金は株式の組み入れ比率を25%に引上げたわけだが、足元では株高もあって、既に23%台までアップしていると指摘され、買い余力が乏しくなっているといわれる。株価が暴落すれば、金額的にはその分、買い余力が増すことになるが、現在の株価水準では買い余力は1兆円前後ではないかとみられている。個人投資家も上値買いには慎重だから需給面からは、これまでとかなり雰囲気が変わってきたといえるだろう。

 【妻】 景気、企業業績が良ければわずかな買いで株価は上がると思うけど。実際に4~6月期は好調な決算となっています。日本経済新聞が報道していますが、全体の銘柄数7割が4~6月期は前年同期比で増益ということです。

 【夫】 確かにそうだけど、増益銘柄数が多くなっていることはアベノミクス効果が上場企業に広く行き渡ってきたということだろう。言い方を変えれば、アベノミクス効果を最初に享受したトヨタ自動車やファナックなどの主力銘柄に遅れて3,4番手銘柄にアベノミクス効果が波及してきたということだ。そこで、気になるのは、先行した主力銘柄にファナックなどのように業績頭打ち感が出ていることだ。もしも1,2番手銘柄が頭を打ったとすれば遅れて3,4番手銘柄も頭を打つことになる。『先に咲いた花から散る』のが世の常だからね。

 【妻】 でも、景気は強いですわ。

 【夫】 景気も企業業績と似た動きだ。昨年10~12月と今年1~3月は2期連続のプラス成長で、特に1~3月は年率3.9%のプラス成長だった。これが、まもなく発表される4~6月のGDPはマイナス成長に落ち込むとみられている。これまでの、「原油安」、「円安」、「公共投資増加」などの効果に一巡感が感じられる。上場企業では3、4番手銘柄まで業績好調だが非上場企業、地方、庶民サイドでは好況感が感じられない。このことが、安倍政権の安全保障関連法案に対する不満となって支持率を下げていると思われる。

 【妻】 でも、安倍政権はアベノミクスをやり遂げるために景気対策を打ってくると思うわ。
 【夫】 そうならいいだけどね。もし、この先、秋の支持率調査で内閣支持率がさらに低下するようだと政権がグラつく心配が出てくる。安全保障関連法案を通したあとは、国民の支持率低下に嫌気がさして安倍総理は叔父の岸信介元総理のように安保のあとヤメタという可能性も否定できない。人質問題が解決すれば支持率は急回復するだろうが。

 【妻】 国民は安倍さんの地球一周外交など行動力、実行力は高く評価しているはずです。民主党の政権のままだったらアメリカとの関係はいっそう悪化していたでしょうからそこに乗じて中国が勢力を拡大し、今頃は尖閣だけでなく沖縄だって中国の力が及んでいた可能性があったと思うわ。

 【夫】 「ノドモト過ぎればナントヤラ」で、中国のことは国民はすでに気にしていない可能性だってある。なにより、一部大企業だけが潤って庶民は足元の生活が苦しいという不満が強い。全体がよくなるには時間が必要だけど国民がそこまで待てなくなっている。株だけでなく社会までが昔と違って短期化している。安全保障関連法案成立後、安倍政権が政権を継続し景気対策にもう一度、力を入れてくるかどうかが後半相場の最大の注目点だと思う。もし、安倍政権がヤメタといったら相場は急落する心配があるだろう。上値買いは慎重がいいと思われる。

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