フライトホールディングスは22年3月期黒字転換着地、23年3月期大幅増益予想

(決算速報)
フライトホールディングス<3753>(東証スタンダード)は5月20日の取引時間終了後に22年3月期連結業績(4月27日に上方修正)を発表した。サービス事業における追加受注に加えて、決済ソリューション「Tapion」に係る開発費などが想定を下回り、各利益は黒字転換して着地した。23年3月期は大幅増益予想としている。有望案件が目白押しであり、収益拡大基調を期待したい。株価は2月の年初来安値圏で底打ちして下値を切り上げている。23年3月期大幅増益予想を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■22年3月期黒字転換着地、23年3月期大幅増益予想

22年3月期の連結業績(2月10日に下方修正、4月27日に上方修正)は、売上高が21年3月期比4.6%減の32億49百万円、営業利益が1億57百万円の黒字(21年3月期は2億69百万円の赤字)、経常利益が1億54百万円の黒字(同2億75百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が1億14百万円の黒字(同2億82百万円の赤字)だった。

半導体不足の影響を考慮して電子決済ソリューション「Incredist」シリーズの新規顧客向け受注を控えたことなども影響して減収だが、サービス事業において3月に既存顧客から「Incredist Premium Ⅱ」の追加受注があった。さらに、Android携帯を活用したタッチ決済ソリューション「Tapion」に係る開発費やその他の見込経費が想定を下回り、各利益は黒字転換して着地した。

C&S事業は売上高が21.6%増の9億16百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が82百万円の黒字(同1億68百万円の赤字)だった。前期にプロジェクト損失を計上した反動で黒字転換した。

サービス事業は売上高が12.5%減の21億42百万円で、利益が2.7倍の4億14百万円だった。前期に利益率が低い仕入品の大口売上を計上した反動で減収だが、電子決済ソリューション「Incredist」シリーズや無人精算機向け「VP6800/IFC」案件の利益率改善も寄与して増益だった。

ECソリューション事業は売上高が6.0%減の1億90百万円、営業利益が75百万円の赤字(同10百万円の黒字)だった。大型開発案件の開発スケジュール遅延で受注損失引当金を計上した。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が10億67百万円で営業利益が1億84百万円の黒字、第2四半期は売上高が5億17百万円で営業利益が1億38百万円の赤字、第3四半期は売上高が4億42百万円で営業利益が1億54百万円の赤字、第4四半期は売上高が12億23百万円で営業利益が2億65百万円の黒字だった。

23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比7.7%増の35億円、営業利益が39.4%増の2億20百万円、経常利益が29.4%増の2億円、親会社株主帰属当期純利益が31.5%増の1億50百万円としている。

C&S事業は既存顧客向けシステム開発、DX推進支援、クラウドサービスを活用したシステム開発支援に注力する。サービス事業はマイナンバーカード対応の決済ソリューション「Incredist Premium Ⅱ」や無人精算機向け「VP6800/IFC」の拡販、マイナンバーカードを用いた公的個人認証サービス、Android携帯を活用したタッチ決済ソリューション「Tapion」の開発・拡販に注力する。ECソリューション事業は開発スケジュールが遅延している大型開発案件の収束、既存顧客向けECサイト構築パッケージ「EC-Rider B2B」のカスタマイズ対応に注力する。有望案件が目白押しであり、収益拡大基調を期待したい。

■株価は戻り試す

株価は2月の年初来安値圏で底打ちして下値を切り上げている。23年3月期大幅増益予想を評価して戻りを試す展開を期待したい。5月20日の終値は432円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円86銭で算出)は約27倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS56円50銭で算出)は約7.6倍、そして時価総額は約41億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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