ネオジャパンの株価ジリジリ回復、利益還元の見直し(優待廃止と増配)で下げたが、時期的に3月末の優待・配当銘柄に乗り換える動きが発生した可能性

■同社は1月末基準、今後は増配と自社株買いに利益還元を集約

 ネオジャパン<3921>(東証プライム)は3月29日、次第に強含む相場となって反発幅を広げ、午前10時過ぎには876円(11円高)まで上げて再び出直り基調を強めている。

 3月中旬、「公平」の観点から株主優待制度の廃止と機動的な自己株式取得(自社株買い)による利益還元、増配を発表。株価は一時下落したが、3月16日の805円を下値に回復傾向が続いている。発表直後の下げについては、時期的に他の銘柄で3月期末の優待や配当を狙える頃合いのため、優待廃止と聞いて他銘柄に乗り換える動きが発生したとの見方が出ている。3月決算銘柄の権利確保(権利付き最終日)は3月29日のため、ここからは権利を取り終えた投資家の「回帰」が注目されるようだ。

■2024年1月の配当は1株当たり3円増配の23円の予定に

 株主優待については、配当に一本化して現金で受け取りたいといった要望が少なくなく、証券会社の調査マンに言わせると、優待を廃止する企業は体感的に珍しいことではないという。ネオジャパンでは、株主への利益還元を重要な経営課題と認識している点に変りなく、株主への公平な利益還元の在り方という観点から慎重に検討を重ねた結果、今後は配当および機動的な自己株式取得による利益還元に集約することが適切であると判断したという。

 これに基づき、次期(2024年1月)の配当を1株当たり3円増配の23円の予定とした。さらに、23年3月14日から同年5月31日までの予定で自社株買いも開始した。この自社株買いの上限株数は10万株(自己株式を除く発行済株式総数の0.67%)、取得総額(取得予算)は1億円(上限)。

 1月には、ビジネスチャット『ChatLuck(チャットラック)』にグループチャットの課題を解消する「トピック」などの新機能を追加した最新バージョンの提供開始を発表しており、いま株式市場で話題のAI『ChatGPT』(チャットGPT)に関連する可能性のある銘柄として注目する様子もある。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る