【注目銘柄】オービスは業績上方修正・増配を手掛かりに高配当利回り買い、2024年問題関連も側面材料

 オービス<7827>(東証スタンダード)は、前日5日に6円安の1165円と変わらずを含めて8営業日ぶりに小反落して引けた。日経平均株価が、4営業日ぶりに474.16円安と大幅反落して心理的なフシ目の2万8000円台を下回ったことから、今年3月15日に年初来高値1190円まで買い進まれていた同社株も、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ取引時間中には1170円と買われる場面もあり、今年3月14日に発表した今2023年10月期の第2四半期累計業績と通期業績の上方修正と増配を手掛かりに、中間期末を控えて高配当配当利回り買いと割安修正期待の買い物が交錯した。また木材事業で物流パレットを手掛けていることから、トラックドライバーの残業時間を規制する「2024年問題」の関連株の一角に位置することも、側面材料として意識されている。

■顧客掘り起こし、新販路拡大で受注量を確保し工場稼働率は高水準

 同社の業績上方修正のうち7月期通期業績は、期初予想より売り上げを4900万円、営業利益を5600万円、経常利益を5900万円、純利益を1億7200万円それぞれ引き上げ、売り上げ119億9900万円(前期比5.8%増)、営業利益5億1300万円(同33.4%減)、経常利益5億700万円(同35.9%減)、純利益5億7400万円(同6.1%増)と見込み、売り上げは続伸し、営業利益、経常利益は期初予想の減益転換率を縮小させ、純利益は期初の減益転換予想が増益転換する。

 主力の木材事業で輸出用梱包材全般や物流パレット、電線ドラム、建築用集成材などに厳しい事業環境が続いているが、新規・休眠顧客の掘り起こしや新規販路の拡大などで受注量を確保し引き続き高水準の工場稼働率を維持したことが寄与した。純利益は、固定資産を売却し売却益1億5000万円を計上することで増益転換する。配当は、配当方針を変更しみなし配当性向を25%とすることから期初予想の45円(前期実績40円)を50円に連続増配を予定している。

■PER3倍、PBR0.4倍、配当利回り4.2%の超割安修正で昨年来高値目指す

 株価は、昨年6月の前期業績の1回目の上方修正と増配発表で昨年来高値1340円へ急伸し、9月の2回目の上方修正でも1235円と買われたが、今期業績の減益転換予想で1000円大台で下値を確認する動きが続き、今期業績の上方修正・増配とともに1190円までリバウンドし、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは3.56倍、PBRは0.45倍、年間配当利回りは4.29%と超割安で、とくにPERは、東証スタンダード市場の低PERランキングの第19位にランクインしており、昨年来高値1340円に向け騰勢加速となろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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