サッポロホールディングスはAIで需要予測を高度化、在庫最適化とサプライチェーンのスマート化を目指す

■AIがビールやRTDの出荷量を予測

 サッポロホールディングス<2501>(東証プライム)のグループ企業であるサッポロビールは29日、ビールやRTDの出荷における「AI需要予測システム」を7月1日から本格的に運用開始すると発表。

 この「AI需要予測システム」は、日鉄ソリューションズ<2327>(東証プライム)の支援を受けて開発したシステムで、商品発売の約16週間前から需要予測を開始し、その後も受注状況や販売状況などを反映しながら、出荷量を予測する。これまで“人が担っていた”需要予測を“人とAIが協働する”ことで、在庫を最適化し、顧客ニーズにより迅速にかつ柔軟に応えることができるサプライチェーンの構築につなげる。

 2022年10月からデータ分析・試験モデル作成に着手し、2023年3月までの6カ月間で、ビールやRTDの限定品などを中心に、約40アイテムでAIの機能検証をしてきた。検証開始当初は人の予測精度に敵わなかったAIも、学習を重ねることで、検証終了時点には人だけの予測精度よりも人とAIが協働した予測精度は約20%上昇したため、本格運用開始を決定した。

 同取り組みは、AIに需要予測を任せるのではなく、AIを育成・運用することで、これまでの予測ノウハウを組織知として蓄積・継承しながら業務をより高度化させることを狙っている。需給管理業務の高度化は、サプライチェーン全体の計画・実行業務の高度化、データ主導型の意思決定、在庫やコスト構造の最適化に大きく寄与する。今後も、DX・IT人財育成プログラムや日鉄ソリューションズからのスキルトランスファーを通して、AIによるアウトプットを理解・活用したDX人財の育成とAIとの協働を実現させていく。

 同社は、グループの中期経営計画およびサステナビリティ方針、DX方針に基づき、データ・デジタル技術の活用を通じた業務変革によって、サプライチェーンをスマート化し持続可能な社会の実現と事業の収益力向上の両立を目指していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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